「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

千載一遇のチャンス

2014年03月18日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

9年半使い込んだCDトランスポート「ワディア270」(以下「270」)のメンテナンスを購入先の「Sオーディオ」(東京)に問い合わせた
ところ次のような返信メールが届いた。

「ご無沙汰しております。
WADIA 270 の件、了解致しました。お手数ですが、弊社へお送り下さいませ。至急、現在の代理店(ノア)で、メンテナンス致します。 
 

トランスポートの貸出しにつきましては、現在、トランスポートの在庫が少なく、下記の商品からお選び下さい。 

「AYRE   D1X」  
「DCS  VERDI LASCALA」  「GOLDMUND  MIMESIS SR CD/DVD 」
 
以上、宜しくお願い申し上げます。」

いやあ、Sさんがご在職で良かった!人材が長続きするショップは信頼が置けるし、とても有難い。

ワディアの輸入代理店は、購入当時の9年前は「アクシス」だったが、いつのまにか「ノア」に変わったようだ。さっそくネットでググってみると、自分が現在使っているDAコンバーター「ワディア27ixVer.3.0」(以下「27」)はすでに修理対象外になっている。非常に困る!

さて、修理の目途がついたところでその間の代用品としてとりあえず提示があった上記の3つのCDトランスポートから選択しなければならない。それぞれネットでググって調査してみたところ、「dCS」(イギリス)が飛び抜けてよさそうだ。なにぶんにも定価が231万円の代物でダントツの存在。

オーディオを長年やってると「値段が高いのできっと性能もいいに違いない」は幻想に過ぎないと次第に分かってくるが、こればかりは実際に高い授業料を払って身をもって体験しないと骨身に沁み込まない。はたして「dCS」の製品はどうかな?

とにかく貧乏人には永久に手が出そうにない機器なので、この機会を逃がしてなるものかと、さっそくメールを送った。「是非dCSをお願いします」。

                        

これはネットの画像だが、モーター部と信号処理部が2層構造になっていて見るからに高級感が漂う。まさにハイエンドの機器を無料でリスクなしに試聴できる「千載一遇のチャンス」(笑)。

ちなみに「dCS社」とは、1987年にケンブリッジ大学を中心として、軍需産業コンピューター解析を行っていた数学者たちの技術者集団がこよなく愛する音楽再生のためにその技術を注ぎ込もうと設立した会社でデータ変換システムを生業としている。

なお「270」のようにDAコンバーターとのクロック・リンクは不可能(ワディアはSTケーブル接続、DCSはBNCケーブル接続)なので、その辺の影響が音質にどう反映するのだろうか?「クロック・リンクなんて、あっても無くても同じこと。」という辛口の意見もちらほら聞くがはたして?

とにかく、強力な代替機器の出現に気を良くして「ワディア270」の梱包作業にも心が弾む(笑)。この日のために倉庫に元箱を保管していたので助かったが、重さ24Kgはちょっと老体にはこたえた。

ヤマトさんに取りに来てもらって無事発送が済み一件落着。そして入れ替わるように待望の「dCS」がようやく到着した。こんな高価な機器を気軽に試聴させてもらい、信用してくれたSさんに感謝!

大きな頑丈極まりない専用のトランクに梱包されて来たのには驚いた。

           

中身を慎重に取り出してみると、いくら中古とはいえ、まっさらの新品同様だった。塵や疵一つ無く、どうも使った形跡が見受けられない。ま、いいことには違いないが。

急いては事を仕損じるのでじっくり30分ほど付属の取説を熟読玩味してからセッティング開始。意外と簡単だった。重量が14kgなので楽だし、電源コードを挿し込み、DAコンバーターに繋いでいるバランスコードを本体に挿し込んで完了。リモコンの操作方法もバッチリ。

さあ、待望の音出し。はたしてお値段にふさわしい音が出るんだろうか?

半信半疑だったが、出てきた音を聴いてこれまでのオーディオ観が根底から覆るほどの衝撃を受けた!

以下、続く。


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