「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

真空管300Bあれこれ

2015年02月03日 | オーディオ談義

先日、オーディオ仲間のU君(福岡)から次のようなメールが届いた。

「年末年始の読み物として図書館で借りた“MJ無線と実験”のバックナンバーに、同好の志が集まり、300Bを各メーカーの8種類集めて聴き比べした上で順位を出すという記事がありましたが、ご存知でしょうか。」

「音がいい」ことと「ツクリ」の確かさで名管の誉れが高い「300B」のテスト記事は、これまでオーディオ専門誌で数えきれないほど読んできたので結論はおよそ見当がつく。すぐに次のようなメールを送った。

「まだ読んでませんが、結果はおそらくオリジナルのWE300Bが1番で、その他は似たり寄ったりだと推測できます。なおオーディオ仲間から、WE以外では“スヴェトラーナ”製がいいとは聞いてますが。」

すかさずU君から次のようなメールが届いた。

「残念でした!実は投票順位はこうなっていました。

1.プスバン 300B (中国) 2.JJ 300B (チェコ) 3.ゴールドライオン DX 300B (ロシア) 4.CCI 300B-98 (中国) 5.WE300B '97 (米国) 6.WE300B '87 (米国) 7.高槻電器工業 TA-300B (白ベース/日本) 8.EH 300B GOLD (ロシア)

意外に思われるかも知れませんね。試聴条件が気になるかも知れないので、「MJ無線と実験」に掲載の当該記事を添付します。」

その記事によると、2013年3月30日、ジャズ喫茶「MEG」で30人のオーディオマニアによる投票結果によるもので、先入観を排するために「ブラインドテスト」だったそうで、たいへんな念の入れよう。

いやあ、実に面白い結果ですねえ。「WE300B’97」と「WE300B’87」がそれぞれ5位と6位の中程とは、これいかに?


ちなみに、1990年代半ば以降に製作されたWE300Bは非常に故障が多いと聞いている。1980年代以前のものとはまったく似て非なるものでこればかりは声を大にして叫んでおこう。よくオークションに故障の片割れとして1本だけ出品されているケースが多いが、くれぐれも相場以上の高値で買い物をされませんように~。

我が家にはWE300Bの1951年製(2本)、1967年製(1本)、1988年製(2本)、そして中国製が2本あってそれぞれの音質は熟知している。「ちょっと聞き」では中国製などの近代管が華やかな音を出していかにも「いい音」のように聴こえるが、時間が経つにつれて何だか表面的で薄っぺらな音に変貌していくのを何度も体験している。

一方、オリジナル製は一聴すると中高音域の派手さが無くいかにも地味な音だが時間が経てばたつほど、まるで「いぶし銀」のような光沢を放ってくる。喩えて言えば朴訥で飾り気のない逞しいアメリカ西部のカウボーイみたいな印象かな。

そういう地味な面が前述のような短時間の試聴テストでは大きなハンディになったような気がしてならない。

いずれにしても真空管の持ち味は周辺環境によって変わるので一概に決めつけられないし、まがい物の300Bだってご本人が気に入ってさえいれば傍からあれこれ言うこともなし!

ちなみに前述した「スヴェトラーナ」だが、つい最近のオークションにペアで出品されていたので注視していたところ結果は「入札結果:57件」で「落札額:37000円」。WE300Bの類似管としてはやや高値のようで皆さまは性能をよくご存知のようだ。

それから、先日「ひま人」という真空管マニアの方からメールが届いて「実は私が刻印付きのWE300Bを落札しました」とのことだった。てっきり中国系の成金ルートの仕業と思っていたのでビックリ。

           

この件については昨年(2014年)の12月11日付の記事「高値を呼ぶ真空管」で紹介している。ペアで「911000円」という破格の落札価格に驚いたが、「ひま人」さんによると「購入動機は投資目的の人に落札されるのがイヤだった、そして出品者が長年の取引を通じて信頼が置けたこと」を挙げておられた。

しかも、この方は「北国のおじさん」や同県内の「真空管博士のMさん」もご存知だそうで、その道では有名な方のようだ。なお、性別は女性だそうで二度ビックリ。女性の熱心なオーディオマニアは自分が知る限り初めてである。オーディオマニアになぜ男性が圧倒的に多いのか、いずれ理由を考察してみたいものだ。

以前のブログで「指揮者に女性が少ない理由」を登載したことがあるが理由は簡単だった。大きな胸をユサユサして指揮棒を振られると楽団員が気が散るというものだった(ジョークです)。

とにかくこの女性のホームページ「ひま人の館」を教えていただいたので覗いてみたところ真空管の宝の山だった。興味のある方はぜひググってみてください~。
 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする