前回からの続きです。
中が空洞なので軽くて細工がしやすい竹材に着目し、スピーカーボックス内部の「定在波の防止」並びに「箱の剛性」を高めるための作業の結果が下記の画像のとおり。
名誉の負傷で親指を血まみれにしながらリバテープを貼って血止めをし、作業を続行するのだから果てしない「おバカさん」である(笑)。
早く音出しをして聴いてみたいばかりのことだったが、どうにかこうにか作業を終えてさっそく試聴してみると明らかに中低音域の厚みがぐっと増したのには驚いた。
これは素晴らしい!
ちょっと表現が難しいが、箱の振動に「空振り」が少くなった感じがするのだ。
期待していた以上の効果で、しかも材料費はタダときているからたまらない(笑)。まあ、親指にひどい傷を負ったがそれを補って余りある成果といえよう。
一番大きかったのはそのおかげで「371シングル」が使えるようになったこと。
以前に記載したように「バリウム昇華型フィラメントを持つ前段管A411のトルク」と「トリタンフィラメントを持つ出力管371のスピード」が合わさったかなり珍しいアンプである。
これまで「AXIOM150マークⅡ」には十分対応できていたが「トライアクショム」となると、中低音域がやや薄味になっていたので敬遠していたのだが見事にカムバック。
たかだか1ワット程度の小出力アンプなのでローエンドの伸びを求めるのは酷だがこれだけの厚みが出てくれば十分だ。
むしろ小振りのアンプならではのメリットがあってスピードがメチャ速くて中高音域のメリハリと解像力にかけてはベスト1の折り紙を付けてもいいくらい。
結局、中低音域の薄味の原因はアンプの責任ではなく箱の定在波対策と剛性不足にあったのかと疑問が氷解した。
調子に乗って竹材の活用はさらに続く(笑)。
以下、次回へ。