「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

プリアンプの改造

2012年09月19日 | オーディオ談義

つい先日のこと、関西地方にお住いのさんという方からメールをいただいた。もちろんこれまで一面識もない方である。

ブログをやっていると、こういう予期せぬ交流があるので楽しくなる。趣旨は次のとおりだが、掲載に当たってさんのご了解をいただいていないが、別にご迷惑がかかる内容でもないと思うし、具体的な県名と氏名を明かしていないのでお許しをいただこう。

「同じAXIOM80(SPユニット)を愛用していることから貴殿のブログをいつも親近感を持って読んでいます。AXIOM80はオリジナルとリバイバルの2セットを使い分けしており、オリジナルはクラシック用に、そしてリバイバルはジャズ用に使っています。今回メールした趣旨は、自分が所有しているプリアンプの修理点検についてです。

以前のブログで、”奈良のMさん”という方がプリアンプの修繕をされ、見事な再生を果たされたとありました。この”奈良のMさん”はアンプの修繕をお願いすれば引き受けてくださる方でしょうか?信頼できる方に依頼したいと思っておりますので・・・。ご紹介いただけるようでしたら、先方の連絡先を教えていただけないでしょうか。突然勝手なお願いでまことに恐縮です。」

いやあ、口利きよりも何よりも、稀少品の「AXIOM80」を2セットお持ちになって使い分けしておられることに驚いた。しかも1セットはオリジナルだという。当方も2セット持っているが両方ともリバイバルでしかないし、1ペアは故障したときのための大切なスペア。

こうして現役のままで2セットも使うという贅沢な使い方をする人がいるとは、やはり世の中は広い~。とにかく同じ「AXIOM80」の愛用者というだけで、ハートが”ビビッ”と通い合う(笑)。

早速「口利きぐらいお安い御用ですよ」と、Mさんにさんのご依頼をメールで確認してみると同じ関西地方在住ということで親近感を持たれたようで、「何ぶんにも測定機器もLCRメーターとデジボルだけの素人です。万が一、(プリアンプを)壊してもよく、納期もこちらのマイペースの条件でよろしければ、どうぞ何時でもOKです」との回答が返ってきた。

ご謙遜である。測定機器は大したことはないかもしれないが、バッハを主体にクラシック愛好家としての音楽を聴き分ける鑑賞力(耳)は一流の方である。これはアンプ製作者に求められる何よりも必要な要素だと思っている。それに肝心のSN比もいつも凄い仕上がりぶり。納期にしても、いったん取り掛かると集中される方で最短期日で上げられる。

しかも依頼人への修繕中の経過報告に念が入っており、きちんと修繕個所を写真にとってメールで連絡されその都度、こまめに確認を取られる。そういう点はこれまで何台も修繕してもらったので自分が保証人になって太鼓判を押してもいいくらいである。

とにかく、Mさんの上記の回答をそのままさんに横流しして自分の役割は一応終了。以後はさんとMさんとのやり取りにお任せしようっと~。

とは言いつつも、実は正直言ってMさんが今回の修理に前向きになられるとは予想だにしていなかった。なかなか万事に注意深くて慎重な方なので、「一見(いちげん)さんの相手はお断りです」の可能性が8割と踏んでいたので意外!

本音を言うと自分も1台「バッファーアンプもどきのプリアンプ」を本来の「プリアンプ」に改造してもらおうと虎視耽々と狙っていたのだが、あまりに続けざまにMさんにお願いすると、ご本人はともかく奥様から「うちの主人をいつも忙しく働かせて困ります。身体の方が心配です!」と悪者扱いされそうな気がして遠慮していたのである(笑)。

アンプの修繕にあたってとかく気が乗らない真夏が過ぎて、ようやく涼しくなってきたのでぼちぼちお願いしようかなというタイミングでの今回の出来事だった。

そこで、厚かましくもこの機に乗じてMさんにメールを出してみた。

「実はお願いがあります。さんとの話がうまくいき、プリアンプの修繕が完成した後で結構ですから、以前”いじって”いただいた”バッファーアンプもどきのプリアンプ”を本来のプリアンプに改造していただけないでしょうか。ボリューム代はいくらかかっても構いません」

すぐに返答があるのがMさんのいいところ。

     

上記画像を添付したメールにより「どちらのボリュームを選択しますか?」ということから、本格的なやりとりが始まって、「バッファーアンプの送付」 → 「改造経過の報告」 → 「完了」と1週間もたたずにあっさり完結。

何だかさんの先を越したようでまことに申し訳ないが、以前にこのバッファーアンプの回路などを熟知していただいているので、こうして電光石火のうちに終了してしまったのだろう。

こうして17日(月)の午後4時頃に我が家に無事届いた「プリアンプ」。マイカ・コンデンサーを使った特注品で、RCAの「6FQ7」を2本使った極めてシンプルな構成である。レコード用のフォノ系が必要ない限り、プリアンプはシンプル・イズ・ベスト」が自分のモットーである。

               

このプリアンプは現在低域用に使っているトランジスター・パワーアンプ「L-01A」(ケンウッド)とセットになる。

さあ、ケーブルの接続が完了して、いよいよピ~ンと張り詰めた緊張と胸がワクワクする期待の中での音出し。

結果は想像どおり”満足”の一言だった。こういう時に、オーディオに優る楽しみがはたしてこの世にあるんだろうかと、いつも思ってしまう。

これまで音量調整に単体アッテネーターを使っていたのだが、やはりプリアンプの方が味が出てくるようで、何ともいえない豊かで魅力的な雰囲気が漂う。

ずっと以前のブログで「プリアンプはもう要らない?」と登載のうえ「プリアンプ不要論」を滔々と述べたことがあるが、あれは早計だったかもしれないなあ~。

「アッテネーター」と「プリアンプ」、それぞれの功罪について、改めて考えてみたいテーマである。

 

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