「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

豹変する「スピーカー」と「真空管」

2025年03月11日 | オーディオ談義

オーディオの楽しみっていろいろありますけど、それほど期待もしなかった機器が周辺環境の変化のおかげで豹変するのを見届けるのも「大いにあり」だと思います~。

今回は「スピーカー」と「真空管」を実例として挙げてみましょう。

まずはスピーカーから~。

ちょっと見かけがイマイチなので逡巡したんですけどね~(笑)。

英国の老舗「グッドマン社」のSPユニットーTRIAXIOM」(口径30cm:同軸3ウェイ)です。

発売時期は1960年前後の旧いスピーカーですが、
これまでのイメージからして、それほど抜群な存在でもないと色分けしていたのですが、周辺環境整備(後述)のおかげで見事な変身を遂げた感があります。

あまりに、素敵だと思ったものですから第三者の冷静な耳を借りて判断を仰ぐことにしました。やはり「井の中の蛙」にはなりたくないですからね(笑)。

で、その「第三者」の判断の受け止め方もいろいろです。

その昔、「加銅鉄平」さんという評論家がおられましたが、その著書の中で「他家に行ってシステムの悪口を言うのは、あなたの子供はバカですねというのと一緒だ」という一文があったのを記憶しています。

賛否両論あるところでしょうが、丹精込めて構築された他家のシステムの欠点を指摘するのはとても勇気のいることだと思いますよ~。

たぶん「いい音ですね」ぐらいの「御座(おざ)なり」に仰る方が大半ではないでしょうか。実はかく言う筆者もその例に洩れず、お気を悪くされないように当たり障りのない言葉で収めるはずです。


その点、仲間の「Y」さんは職業柄からくる習慣と長年に亘る交流のおかげ気心が知れているせいでしょうか、思ったことを忖度なしにズバズバ指摘されるのでたいへん重宝しています(笑)。

先週8日(土)の午後に久しぶりに来ていただきました。

後日のために、当日試聴したシステムの概要を記録しておきましょう。プリアンプ2台、「パワーアンプ3台 ⇔ SPユニット3個」を使った我が家独特のハチャメチャな構成です(笑)。

 CDプレイヤー「TL3 3・0」(ベルトドライブ方式)

 DAC 「D2R」(2系統に分離:RCA端子とXLR端子(変換ケーブル使用)

<RCA端子>系統

プリアンプ「CV4068真空管」 → パワーアンプ「STC出力管」(モノ×2台) → スピーカー「TRIAXIOM」

<XLR端子>系統

プリアンプ「E80CC真空管」(出力端子2系統使用)

→ パワーアンプ「TR素子」→ スピーカー「ウェストミンスター」(200ヘルツ・ハイカット)

→ パワーアンプ「LS7」シングル → スピーカー「075ツィーター」(超高音域ローカット)

音楽ソースはYさんのたってのご所望で愛聴盤「ヴァイオリン・ソナタ」(モーツァルト)です。



モーツァルトは今さらですが万能だと思います・・、「シンフォニー」「ピアノソナタ」「ピアノ協奏曲」「ヴァイオリン協奏曲」「各種の管楽器による協奏曲」「声楽」「オペラ」など、あらゆるジャンルで最高峰を極めていますが、その中でも「ヴァイオリン・ソナタ」(全集:ピアノ伴奏)の密度の濃さといったら筆舌に尽くしがたいです・・、ヴァイオリンとピアノは彼の自家薬籠中の存在ですからね!

このジャンルは(彼の)「入門編」でも「卒業編」
でも、どちらに組み込まれたとしても十分通用する不思議な光芒を放つ存在だといつも思います。

そして、Yさん曰く「素晴らしいです! 水も滴るヴァイオリンとはこのことですね」と、大いに感心されたご様子。ご自宅では「デジタルアンプ」を使っておられるそうで「こういう艶のある音色はやはり真空管アンプじゃないと無理です~」。

また、真空管アンプ礼賛か・・、まあそう言わずに~(笑)。

続いて「TRIAXIOMが以前と様変わりしたイメージを抱きました。鮮度が随分高くなりましたよ。同じグッドマンだけあって、AXIOM80と似たイメージがありますが、こちらの方が低音域とのバランスがいいような気がします。それにしてもよくもまあこんなに古いユニットを持ち出してきますねえ」

「ハイ、TRIAXIOMを1000ヘルツあたりでローカットして聴いたのは初めてですが、どうやらそれが利いてるみたいです。AXIOM80に比べてあまり神経質な感じがしないのは確かですね」

次に、以前から気になっていた「075」ツイーターの効果について、アンプのスイッチ・オンオフで試してみたところ、「やはり無いと淋しくなりますね、あった方が断然いいです」とのことで、継続を決定。

次いで、豹変する真空管に移りましょう。

ひとしきり、聴いていただいた後に「球転がし」をやってみました。



このアンプに挿せる球(出力管)となると3種類あります。

「STCの出力管」(次の画像真ん中:ソケット変換アダプター付き)、「WE300B」(画像左)、「6A3」(シルヴァニア:刻印)です。



ここまで、ずっと「STC」で聴いてきたので、まずは「6A3」に挿し代えてみました。

「いかにも正統派という感じで、悪くはないんですけどSTCに比べるとちょっと おとなしすぎて 華やかさが足りない気がします」

次に「WE300B」(ロット・ナンバー:6733)に交換。「6733」は「1967年第33週目製造」を表示しています。

「さすがですねえ~。WE300Bでこれほど見事な音を聴いたことは初めてです。「煌(きら)びやかさ」と「質実剛健」が同居している感じです。いやあ、驚きました。私なら日常的にはSTCで聴いて、お客さんが見えたときにはWE300Bに挿し代えて驚かせる作戦を取りますね。」

「このアンプに久しぶりにWE300Bを挿してみましたが、私もびっくりしました。TRIAXIOMとの相性がこんなにいいとは想定外でした、先日、プリアンプの真空管を12AU7からCV4068に代えましたが、どうやらその相性も良かったようです。STCも好きですが、WE300Bとなると、 ”どうだ文句あっか!” と言わんばかりの ふてぶてしさ が漂いますね。ようやく本領発揮で嬉しい悲鳴です」。

この日は、とうとうYさんから「AXIOM80を聴かせてください」という言葉が聞かれずじまいだった・・、はたしていい兆候なのか、悪い兆候なのか?

いずれにしろ、これから長いペナントレースが始まって首位攻防戦が激化しそうです(笑)。


クリックをお願いね →  

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 春の好日にモーツァルトを考える | トップ | 人間の「第一感」は情緒に左... »
最新の画像もっと見る

オーディオ談義」カテゴリの最新記事