変なタイトルである。
『カラスムギ』...最近になってようやく名前がわかった川辺で見かける草なのである。
どうやら牧草として国内に導入されたものが野生化したらしいのだが、我が地元江川周辺では5月末ごろまでそれは土手を覆い尽くす勢いであった。
面白いものでたくさん生えている場所というのが日当たりの良い側面ということ。写真で見ると川の左側の土手には生えていないが、その反対側は右側と同じように群生している...東南に面している側であることが分かる。
さてきょうは「カラスムギ」についてのウンチクを述べるためのブログではない(笑)。このカラスムギというのが花を咲かせ実をつけるあたりからの姿がなんとも(私的には)美しいのである。
ちょうどその時期にいくつかのオールドレンズ、それもほぼ全て標準レンズと呼ばれる50mm相当のものを安かったので立て続けに仕入れていたので、その美しい姿を撮り比べていたのである。
それぞれのレンズの開放での描写を比べているので写真を並べると何となくその特徴がわかると思います。
それではさっそく始めましょう...
まずは「Minolta MC ROKKOR-PG 50mm F1.4」から
このレンズの描写でとても気に入っているものです。オールドらしく柔らかな描写ですが、周辺減光が浮き上がらせてくれている「穂」のベールのかかったような、いや画像の上から触ってみたくなるような滑らかさを感じさせる素敵な写りはこのレンズの味を期待させてくれます。
次に貧者ズミクロンと言われた「RICOH XR RIKENON 50mm F2」です。
どうですか、ROKKORを見てからこちらを見るとたくさんの穂のシャープな描写だけでなく細い幹・枝までもが繊細に描かれているかのようですよね。f/2始まりということで開放からシャープな画を描くレンズなのですが、そう見せるといっても良いかもですね。今どきの明るいレンズなら全体的にシャキッとした画を吐き出すでしょう、でもこのレンズの味は精細感がある中にオールドらしいボケ味と周辺減光が独特な雰囲気を作ってくれるところなんでしょうね。
そして最後は私的標準レンズのリファレンス的存在である「planar T*1.4/50」です...
「え、あれッ」と思うかもしれませんね、比較する写真に見えませんよね(笑)。実はこのplanar T*1.4/50 ZFを持ち出した日は強風で他のレンズのような画が撮れなかったんです。なんとか写し止めようと日差しも強めでゆうに1/6000秒を超えていたのでサイレントシャッターで粘って撮った一枚です。ブレていない穂を見る限りplanarの開放らしい全体的な柔らかさの中に芯のある描写というかさすが気持ちよさを感じさせる写りです。
planar T*1.4/50の素敵なところはこの強風下でのうねりを表現したときの描写にも見られます...
サイレントシャッターで揺れる穂を追いかけながらシャッターを切り続けたうちの一枚ですが、まさに「風」を捉えたような一枚だと思います。その激しい動きの中で捉え写し止めた穂などはその模様もしっかり再現されてます。そして背景の渦を巻くようなボケの中に描かれる穂の動き、風の強さを嫌というほど感じさせてくれます。
こういうのもやってみるもんですねえ、また違った写真の世界を垣間見た気分です(笑)。
どうでしょうか、今回はたまたま50mmばかりでしたがずいぶんと違った描写が楽しめますよね。ROKKORはバブルボケも楽しめますし、同じROKKORでも55mm F2では開放だけでノスタルジックからシャープなものまで行けちゃいます^^、planar T*1.4/50は言わずもがなのオールマイティで現代レンズの必要を感じさせません。
こんなことばかりやっているので最近AFの恩恵を少しもありがたく感じなくなってしまいました(笑)。
「チープ・リッチ」の沼にズブズブとはまりだしているきょうこのごろでした...^^。
※ カメラ : α7III(すべて)