ARRLのV/UHFアワードで、首尾よく50MHz_100クレジット申請の話は、以前書きました。
当方の50MHzは、FT-2000D 200W機に2Fのベランタから梯子タワーで上げた、3エレメントのHB9CVアンテナという弱小設備です。さらに、アンテナの耐入力が大きくないので、フルパワーを入れることはなく、DXを呼ぶ時でも100W~150W程度で、国内QSOは100W以下です。(国内は、50Wくらいで十分)
当然、パイルアップになると呼び負けるのですが、FT8の電波形式が普及したので、相手にかすかでも飛んでいれば、QSOできるチャンスが回って来ることがあります。そうはいっても、ヨーロッパや米国などの大陸間のパスが開いた時は、すさまじい数の局(それも強い)が出で来るので、たいていは踏みつぶされてしまいます。
50MHzのVUCCアワードは、最低の100クレジットを得たので、これがリミットかなと思いましたが、ちまちま交信していったら、125を超えたのでエンドーズメント(追加申請)してみました。
ARRLのLoTW(Logbook of The World)からの申請なので、紙カードの提出は不要です。2022年1月16日に申請が承認されました。(申請から承認までは、1~2日程度)申請料は、クレジットカードで支払い可能ですので、手間いらずです。
承認後は待つだけですが、なかなかステッカーが到着しません。そうこうしているうちに、ロシアのウクライナへの武力攻撃が始まり、ウクライナ国内は戦場になっており悲惨な状況です。当初は日本⇔ヨーロッパ間の航空便は通常通りに配達されていましたが、ついにヨーロッパの一部の国(西側諸国含む)への航空便の引き受けが停止されました。船便はOKのようですが、4ヶ月くらいかかる見込みです。
米国については「手書きのラベルは引き受け停止」(コロナ対策?)とありますが、航空便は通常通り配達されているようです。そうはいっても、いろいろなところで大変なことになっているので、「そのうち来るかも」という気持ちで待っていた所、2/14にエアメールが到着しました。だいたい、承認から7週間かかっています。
125のステッカーが2枚、入っていました。(なんで2枚?)まあ、多い分には文句はありません。(笑)
ウクライナのアマチュア局は、政府により運用禁止となっており電波が聞こえません。また、運用できる状態ではないでしょう。方や、ロシア・ベラルーシの局は、通常通り運用しています。無線ですから世界中に電波が飛ぶので、ロシア局に心無い言葉(データだと文字)を投げる局もあると聞きます。ロシアアマチュア無線連盟(SRR)が声明を出しました。
「紛争でロシア国家がどの側にいようとも、SRRは紛争に巻き込まれた国のアマチュア無線家や無線団体に対して非友好的な措置をとったことはありません」「ウクライナでの事件に関連して、SRRはアマチュア無線の伝統(慣習)に忠実であること、アマチュア無線を使った感情的な行動を控え、互いの交流を絶やさず、知恵と相互理解を示し、それによって状況の迅速な解決に貢献することを求めます」
「ウクライナの事件」という表現はどうかと思いますが、趣旨は理解できます。(こういう表現をするしかなかったのだろう)ロシアのやっていることは許されることではありませんが、一般アマチュア局にその矛先を向けるのは違うと思います。
「アマチュア無線には、政治を持ち込まない」というルールが昔からあります。世界には紛争地域や対立している国家もあり、その中でアマチュア無線が許されている国も多くあります。いくら、隣国が気に入らないといっても、罵声をあびせたり妨害することはマナー違反であり、そういう例をあまり聞いたことはありません。(全くないとは言わないが)
冷戦時代のソ連(ロシアの前身)でさえ、アメリカや西側のアマチュア局と普通に交信していました。もちろん、日本もソ連の局と交信することは全く問題はありませんでした。中東においてもイスラエルやアラブの局が、電波上でやりあうこともありません。しかしながら、国が特定の国を指定して、交信不可にする場合はあります。※1
※1 かつて、日本でアマチュア無線が許可される以前は、米軍補助局(いわゆるKA局)が運用していた。アマチュア無線が正式に日本で許可された後でも、沖縄ではアメリカ人がKR6のプリフィックスを使って運用していたが、日本は正規のアマチュア局とは認めずに交信を禁止した。まだ、電話級アマチュア無線技士の資格をとったばかりのころ、28MHzのSSBで、KR6〇〇のCQが聞こえたので、あわてて呼んだら「交信できませーん」と日本語で言われて「へっ、なんで?」と思ったことがある。後で調べたら、交信禁止局ということが分かった。
中国がアマチュア無線を解禁したころは、クラブ局しか許可されず個人には免許が与えられなかった。当時のCQ誌だったかと思うが、クラブ局の写真が掲載されていた中で「交信禁止カントリー」という大きな紙が壁に貼っていて、いくつかのプリフィックスが書かれていた。中国にとって、好ましからざる国との交信は禁止という処置がとられていたと思われる。長らくアマチュア無線が禁止されていた国からの正式運用ということで、各バンドで大パイルアップが引き起こされ、交信するのが困難だったが、しばらくすると需要が落ち着いて簡単に交信できるようになった。
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2023年11月27日追記
VUCC 50MHz 200を達成しました。ベランダ設置の3ele HB9CVでは、このくらいが限界かな。