政治的リスクへの感度が欠如
2024年12月14日
日本最大の鉄鋼メーカーによる米国の歴史的象徴・USスチールの買収は、ほぼ絶望的になりました。日鉄の副会長は「年内に買収完了できる」と、楽観的な見通しを語っていました。社運をかけて2兆円を投じる一方、政治的なリスクに対する備えが不足していました。
米国の歴史的象徴を買収し、日鉄の成長戦略の一角にしようとした経営計画が . . . 本文を読む
巨額の国債が詰まっている
2024年12月9日
三菱UFJ銀行で行員が4年半にわたって、貸金貨から顧客の現金や貴金属を盗んでいた事件が起きました。被害総額は時価10数億円だそうです。60人分の資産で、減っていることに気づいた顧客の問い合わせで発覚しました。まあ、盗まれていることに気が付かない富裕な利用客が大勢いるのに驚きます。
その後、続報らしい続報がないところをみ . . . 本文を読む
chatGPTに聞いてみた
2024年11月29日
月末になるといつもびっくりするのは、右派雑誌のHANADA、WILLの新聞広告の大きさです。雑誌広告としては、特に産経新聞が破格の扱いで、今月号(26日発売)はHANADAは全㌻(1㌻)広告、WILLは全5段広告でした。全㌻広告はいつものことかどうかは知りません。とにかく超ベストセラー並みです。
私は月刊誌も出して . . . 本文を読む
第三次世界大戦の予兆
2024年11月21日
日本を含め、各国は財政・経済の健全性を考えるどころではない戦時体制優先の時代に入ってしまったようです。ある統計によると、世界の紛争件数は23年が59件で、戦後最多になったそうです。トランプ氏が米大統領に勝利し、世界情勢はますますその危険度を増していくでしょう。
米国は世界最大の民主主義国でありながら、トランプ氏の政治手法 . . . 本文を読む
日本メディアも米国情報を丸呑み
2024年11月6日
大統領選に対する米国の世論調査では、「全米では僅差(誤差の範囲という)ながらハリス氏優勢か。激戦7州は終盤まで激戦」(リアル・クリア・ポリテイクスによる多数の集計値)でした。結果はトランプ氏の圧勝でした。数日を要する可能性もあるとされていた開票結果も一日で終わりでした。ハリス氏は完敗し、世論調査も敗北したのだと思います。
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安倍政治がもたらした敗北
2024年10月30日
衆院選で自民党が歴史的な大敗を喫し、立憲民主党、国民民主党が躍進し、自公政権が過半数割れをしました。メディアには「安倍政治の負の遺産」(政治学者・牧原出氏の指摘)が自民の敗北を招いたという視点が不足しています。政局舞台裏の情報ばかりが溢れ、長期的な分析が足りないように思います。
メデ . . . 本文を読む
政府万能論を担ぐ首相ら
2024年10月18日
衆院選が始まり、世論調査では、早くも自民過半数割れか、自公は過半数維持かなどの予想が報道されています。新聞紙面1㌻を埋め尽くす主要政党の選挙公約を読んでみると、政府が何から何まで手をだす、さらに政府ができないことまで背負いこみ、失敗しているようにみえます。
ノーベル経済学賞などは、細かな課題より、大きくなりすぎた政府が . . . 本文を読む
薬効なく急性肺炎、厚労省も「効かない」
2024年10月11日
(写真は、よく効くと医者が言ったゾコーバの錠剤)
私は5月にコロナに感染し、高熱を発し、近所の医院で診察を受けました。医師は「コロナにかかり、喉がやられている。よく効く薬が開発されている。1週間飲んでください」と、処方されたのが塩野義製薬が開発した新薬(22年11月)のゾコーバでした。1錠が7000円以上、10錠分、払っ . . . 本文を読む
2024年10月6日
金融財政の正常化を嫌う市場
石破茂氏が新首相に選ばれ4日、国会で所信表明演説を行いました。新聞の見出しを拾うと、「生産性を上げ賃金増」、「成長経済目指し投資に力点」、「防災庁へ準備」などです。所信表明演説は新政権の願望に過ぎず、公約でもなく、簡単に実現できそうにない多くの項目が並んでいます。
政治家、特に首相の演説、発言は注意して聞く必要があり . . . 本文を読む
高市氏では新たな混乱の始まり
2024年9月28日
自民党総裁選の決選投票で、石破茂氏(67)が高市早苗氏(63)を破り、10月1日召集の臨時国会で首相に選出されます。一回目投票で高市氏が議員票、党員票でトップにつけ、決選投票でも勝つのではないかとのムードを感じた人もいははずです。
それが石破氏の議員票が初回(46票)より130票近く増え、逆転勝利となりました。私は . . . 本文を読む
日本はぐらかし野球はを止めよ
24年9月22日
米大リーグ・ドジャーズの大谷翔平(30)がやりました。メジャー史上初の「50本塁打、50盗塁」の快挙です。仕上げは3連続本塁打ですから、米国の野球ファンは狂喜しました。日本ハム出身ですから、日本でもメディアは、新聞紙上、いまだかつてない大展開で沸きあがりました。
テレビ、新聞を見ていて、スポーツメディア、球界関係者は大 . . . 本文を読む
政策論争を避けるな
2024年9月14日
自民党総裁選は12日に告示され、過去最多の9人が立候補し、上位2人の決選投票にもつれ込むと、予想されています。これまでの決選投票では、派閥の領袖らの密室の駆け引きが行われ、順位の逆転もあった。閣僚、党の主要ポストは論功行賞のような形で配分された。
派閥解消が進んだ今回は、どのような形で決選投票が行われるのだろうか。改革派と保 . . . 本文を読む
大統領選という最悪のタイミング
2024年9月8日
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画について、バイデン大統領が中止命令を出す方向だと、報じられています。すでにトランプ氏は「日本に買わせてはいけない。我々の製造業の遺産を取り戻す」と断言し、ハリス副大統領(民主党大統領候補)も「米国が所有し、米国が運用する企業であり続けるべきだ」と、述べています、日鉄による買収計画の破綻は必 . . . 本文を読む
真っ向勝負を逃げる
2024年9月1日
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平(30)がメジャー史上初の「43本塁打、43盗塁」を達成しました。全国紙が一面トップの扱いをした快挙です。この調子が続くと、ベーブ・ルースをしのぐメジャー史上最高の選手という歴史的な格付けを得ることになりそうです。
大谷の並はずれた身体能力、緻密なデータ分析を生かす明晰な頭脳の結果でしょう。米メ . . . 本文を読む
市場にサプライズするのは日銀
2024年8月24日
植田・日銀総裁は23日、国会の閉会中審査に出席し、「市場は引き続き不安定な状況で、極めて高い緊張感を持って注視する」と述べました。「高い緊張感」は言わずもがなの表現で、ほとんど意味がない。日銀は常時「高い緊張感」を持っていてくれなければ困るのです。日銀は異次元緩和の「負の遺産」で身動きが取れず、そうでもいうしかないのでしょう。
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