国防費の増大に触れず
2025年3月8日
トランプ米大統領は4日、議会での施政方針演説を行い、中国の李強首相もほぼ同じタイミングの5日、全国人民代表大会(全人代)で政府活動報告(所信表明)を読み上げ、国務院(政府)は25年度予算案を発表しました。2超大国・米中の国家戦略が対比でき、「米国/製造業復権へ保護主義鮮明、関税引き上げ」、「中国/大手銀行に公的資金10兆円、不良債権処理/軍拡堅 . . . 本文を読む
少数与党時代は政策連携が不可避
2025年3月1日
読売新聞主筆のナベツネさんが昨年12月に死去、2月25日に帝国ホテルでお別れの会があり、3900人が参列しました。石破首相、岸田・前首相、森喜朗・元首相ら自民党の最高権力者らも献花しました。ナベツネさんはとにかく自民党との関係が深く、最も親近感を覚えていたと思います。
昨年10月の総選挙で自民党が過半数を割り、少数 . . . 本文を読む
財政悪化で社会保障、教育に影響
2025年2月22日
自公の少数与党が野党の日本維新の会や国民民主党の言い分に押され、ずるずると譲歩しています。野党は夏の参院選が目当てなのでしょう。安倍政権下で自公が圧倒的多数であった時も、選挙対策で予算をばらまきました。与党が強くても弱くても、選挙の度に財政状態が悪くなっていくようです。
圧倒的多数の与党だった時期は独自の判断で予 . . . 本文を読む
三者三様のミステーク
2025年2月15日
日米首脳会談では、日本製鉄(世界4位)によるUSスチール(同24位)の買収計画も大きなテーマとなりました。トランプ大統領、石破首相、日本製鉄の三者のいづれもが大きなミスを犯したように思います。最も困惑しているのは日鉄のはずで、右往左往しているに違いありません。今週末までにトランプ氏は日鉄トップと招いて会談し、方向性を固めるはずだったのに、その . . . 本文を読む
高すぎる返本率=書籍33%、雑誌44%
2025年2月8日
出版大手の講談社、新聞大手の読売新聞が「書店活性化に向けた共同提案=官民で書店振興」を発表し、読売新聞は一面トップ、詳報2㌻(2月7日)という力の入れようです。書店数は03年度2万800店だったのに、20年間で1万900店に、つまりざっと半分になってしまいました。
新聞1面下は伝統的に出版広告が並んでいます . . . 本文を読む
異次元緩和批判本が続々と
2025年2月2日
安倍政権下で日銀総裁を務め、異次元金融緩和策(アベノミクス)を10年も続けた黒田東彦氏は、いつまで沈黙を守り続けるつもりでしょうか。異次元緩和・財政膨張策への検証、批判が噴出しています。前任の白川方明総裁は分厚い回顧録を残しました。黒田氏には証言する責務があると思います。
日銀は異次元金融緩和を含む過去25年間の金融政 . . . 本文を読む
財政金融の一体改革が必要
2025年1月25日
トランプ米大統領の就任演説、石破首相の施政方針演説、それと日銀の0.25%利上げが続きました。大統領、首相、中央銀行総裁らの言動は大々的に報じられている。メディアでは表面的なことばかり詳細に報道され、腹の中ではかれらが何を考えているのかが伝わってこない。
彼らは自分に都合のいいことは大声で言います。トランプ氏は「米国第 . . . 本文を読む
そこまで言って委員会
2025年1月17日
植田総裁になってから日銀役職者から、守秘義務違反まがいの発言が飛び出すようになりました。日銀の金融政策は金融政策決定会合(今回は1月23、24日)で決めることになっているのに、それに先立ち氷見野・副総裁が追加利上げを示唆するような発言をしました(14日)。
虚を突いた「サプライズ」で市場を驚かすことを好んだ黒田・前総裁と打って変わ . . . 本文を読む
権力者の暴走より人畜無害がよい
2025年1月10日
世界の現状をみると、「英明な君主」はどこかにいないものだろうか、というはかない希望を持ちます。「君主制」の国は中東の一部にすぎないでしょうから、「英明な君主」を「英明な宰相、政治的リーダー」とおきかえることにしましょう。トランプ、プーチン、習近平氏らは「君主」であっても、「英明」とはほど遠い。欧州では次々に政権交代、与党の敗北が続き . . . 本文を読む
経済学から政治経済学になった時代
2025年1月4日
バイデン米大統領は、日本製鉄によるUSスティールの買収計画に対する中止命令を出しました。不満の日本側は法廷闘争も選択肢に含まれると言い、引き続き闘うつもりのようです。
米株式市場では、USスチール株が急落し、「再建困難」で、製鉄所の閉鎖、本社移転が不可避とか言われています。「米国内で所有・運営される強固な鉄鋼産 . . . 本文を読む
第三者機関抜きの自己弁護
2024年12月28日
日銀はアベノミクスの異次元緩和を中心に、過去25年間の「政策多角的レビュー」をしました。安倍首相・黒田総裁が2013年から始めたアベノミクスは10年に及ぶ前例のない冒険であり、開始してから2、3年後には検証しておかなければいけなかった。今ごろになって公表しても「後の祭り」です。
アベノミクスは安倍政権、その同調者は「 . . . 本文を読む
新聞の浮沈を握ったネット情報
2024年12月26日
30年間もトップの座にあった読売新聞主筆のナベツネさんに対し、毀誉褒貶、記者と政治家の一体化などの批判がある一方で、言論界、政界、スポーツ界などに残した足跡の大きさを、ライバル紙までが大々的に報道するという異例の波が起きました。
ほとんどのナベツネ論に欠落しているのは、紙媒体がネット媒体に主役を譲っていく歴史の流 . . . 本文を読む
歴代大蔵次官との懇談の場も
2024年12月22日
98歳で死去した読売新聞主筆のナベツネさんは、政界、官界、政治部を中心とする記者仲間、野球界、相撲界と人脈は幅広く、私が見聞したのはそのごく一部にすぎません。単に交友関係というより、戦略的に人脈を広げていく姿を垣間見ることができました。
ナベツネさんが重視していたことの一つは、大蔵省官僚に対する人脈作りだったに違い . . . 本文を読む
社内では異論を封じる
2024年12月21日
98歳で死去した読売新聞主筆の渡辺恒雄さんは、マキュアベリの君主論を愛読していたということを第一回目で書きました。君主論の「君主は愛されるより恐れられるほうがよい」の箇所を、社内にいる記者たちは何度も聞かされました。私も主筆に怒鳴りつけられた経験が何度かあります。
中曽根氏が固執した大型間接税(売上税)の導入構想(82年 . . . 本文を読む
恐れられる君主になれと
2024年12月20日
読売新聞主筆の渡辺恒雄氏が98歳で死去しました。すでに人物の大きさ、政界に対する影響力の大きさ、ジャーナリストとしての評価の仕方など、評伝が溢れかえっています。読売新聞社でナベツネさんに直接、接する時期がありました。ナベツネさんは活動領域が広く、その全容を追うことは私はできません。印象に残ったごくわずかエピソードをお伝えすることも、なんら . . . 本文を読む