ビットコインの大手取引仲介会社「マウントゴックス」が経営破綻したことがニュースになっています。「ビットコインってなんだ?」という疑問をよく耳にしますが、テレビや新聞の解説を見てもさっぱりわからないという人も多いのではないでしょうか。
私はITの専門家でも経済学者でもないのですが、(無謀にも)自分なりに考えてみました。
結論:ひとことで言うならばビットコインは仮想の金(Gold)です。
実物の金(Gold)は鉱山に眠っていて掘り出すのに多大なコスト(労力や設備)がかかります。また、物質としても劣化しにくい上、埋蔵量に限りがあるという希少性がありますから、通貨として最適な物です。
一方、ビットコインも掘り出すのに多大なコストがかかります。掘り出し方は(参考)に示したホームページを参照してください。また、物質ではないので劣化しませんし、埋蔵量に限りがあるという希少性がありますから、これもまた通貨として最適なモノです。
ただし実際の金にもビットコインにも通貨としては少し不安な点があります。
金は物質なので管理が大変なことと、通貨以外にも工業用や装飾用などの使い道もあります。
ビットコインはなんと言ってもコンピュータ上の「データ」なので、今回のマウントゴックスのように「ハッキング」という脅威にさらされます。
さて、ここで私たちが使っているお金(おかね)とは何かを考えてみます。
財布の一万円札は印刷物ですからそれ自体ほとんど価値がありません。しかし、国が「一万円です」と言い切っていいます。それが非常に大事です。ここで注意する点は「言い切っている」だけで保証しているわけではないということです。
日本銀行に行って、「この一万円札を金(Gold)と交換して下さい」と言ってもしてくれません。(なんとアメリカでは1971年のニクソンショック以前には、ドルは金と交換(兌換)してくれました!)
ここで「おや?」と思われた方も多いでしょう。「でも、それって別に金(Gold)じゃなくてもいいよね。自分にとって一万円の価値がある何かと交換してくれるなら。」
そして、「でも、それってなにかな?お腹が減っていれば食べ物だし、そうでなければ服や靴かもしれないし・・・」と考えてしまいます。
こうして考えてみると、「自分にとって一万円の価値」というものがその時々で変わったりしてはっきり決めることができません。だいいち、1人1人の要求に対して「保証」なんてできません。
逆説的ですが、「保証」できないからこそ通貨(おかね)の出番があるわけです。
たくさんの人たちが「まあ、国がそこまで言うのなら」という「信用」のもとに、勝手に「一万円」の価値を食べ物や服につけて一万円札と交換するわけです。この交換過程=市場(しじょう)で「一万円の価値」が決まります。
その点では、ビットコインも同じです。
ただし、ビットコインには国のような中心にドンと構えている存在はありません。ビットコインを利用している人たち同士の「信用」の上に成り立っているからです。
したがって「信用」、つまり「そういうことにしておきましょう」という人たちだけがビットコインを使うならば、当然お金として通用するわけです。しかも国や金融機関のような「余計な」存在がないだけに、世界中どこでも自由に使えますから為替レートも関係ないし、送金手数料もかかりません。とても便利で効率的です。
そのかわり「余計な」存在である国には法律や警察、軍隊という「力」があります。万が一、何かが起こったらそうした「力」が役に立つことは明白です。
今後ビットコインがどのようになるか不明ですが、結局何らかの国際的な機関の管理下におかれるような気がします。
言ってみれば、第二のブレトン・ウッズ体制のようなものができるのではないでしょうか。経済学を学んだ者の端くれとしては、興味深々です。
・・・などと考えていたら、「そんなことを心配するよりもまずお金を稼ぐことが先でしょうが!」という声が。・・・そ、そのとおりです。
(参考)
http://www.bitcoin-info.com/bitcoin_miner.html
http://www.findai.com/yogo/0307.htm