モーニングコール(和製英語です)は、宿泊したホテルなどで、朝、電話で起こしてもらうサービスです。NASAが宇宙空間にいるスペースシャトルの乗組員(クルー)に向けて音楽を送る「ウェイクアップ・コール」は地球でいちばん有名なモーニングコールです。宇宙では「朝」がないので、クルーはこの音楽を聞いて一日をスタートさせていました。
ウェイクアップ・コールに使われる音楽を選ぶのは、クルー本人やその家族、友人、NASAのスタッフが行うこともあるそうです。初めてのウェイクアップ・コールは、ジョン・デンバーの「シティー・オブ・ニューオリンズ」で、1972年のアポロ17号のときだそうです。
日本人の宇宙飛行士では、野口さんが「となりのトトロのテーマ曲(さんぽ)」、若田さんが甲子園の高校野球のテーマ「栄冠は君に輝く」、毛利さんが「銀河鉄道999のテーマ(ゴダイゴ)」、山崎さんが「ハトと少年(天空の城ラピュタ)」と様々です。
そして、すべてのウェイクアップ・コールの中で最もリクエストの多かった曲はルイ・アームストロングの「What a Wonderful World」です。いままでに何度かテレビCMで使われていますから、耳にしたことがあると思います。
この曲が最も多くのリクエストを集めた理由は、メロディの良さもさることながら、その歌詞にあります。その内容は、ありふれた日常の風景やそこにいる人たちを単に描写しただけの、とてもシンプルなものです。
では、歌詞を読んでみましょう。
What a Wonderful World
(作詞・作曲: George David Weiss - G. Douglass)
I see trees of green, red roses too
I see them bloom for me and you
And I think to myself, what a wonderful world
I see skies of blue and clouds of white
The bright blessed day, the dark sacred night
And I think to myself, what a wonderful world
The colors of the rainbow, so pretty in the sky
Are also on the faces of people going by
I see friends shaking hands, saying how do you do
They're really saying, I love you
I hear babies cry, I watch them grow
They'll learn much more than I'll ever know
And I think to myself, what a wonderful world
Yes, I think to myself, what a wonderful world
・・・緑の木々や赤いバラ、青い空と白い雲、空にかかる虹、友達どうしが「ご機嫌いかが」と言いながら握手を交わす・・・そんな情景を見て「この世界はなんて素晴らしいんだろう」と歌っています。そして最後にこう結んでいます。
赤ん坊の泣き声が聞こえる
この子たちが育つのを見ていよう
この子たちは、私が思いもつかないことをたくさん学んでいくだろう
この世界はなんて素晴らしいんだろう
そう、この世界はなんて素晴らしいんだろう
真っ暗な宇宙空間から見た地球は、きっとそんなふうに見えるのでしょう。
2015年が素晴らしい世界でありますように。
(人事育成社)
Louis Armstrong What A Wonderful World - YouTube
ウェイクアップコールとは?(2012年7月16日~7月20日) | 宇宙からウェイクアップコール | NHK宇宙チャンネル