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車内のマイルーム化

2015年01月28日 | コンサルティング

「飲食、化粧、大きな声での会話はご遠慮ください」

これは以前、名古屋で市営地下鉄に乗車した時に聞いた、車内アナウンスです。

特に、「化粧」という東京近辺の電車では聞いたことのない内容が入っていて、思わず「えっ!」と聞き返しそうになりました。

その昔、駅のホームに流れる「白線の内側でお待ちください」というアナウンスを聞いて、「そこまで言わなくてもいいんじゃない?」と思った記憶がありますが、今ではそれは電車が来るたびに当然のように繰り返されており、駅や車内のアナウンスも時代の変化に対応しているのだなと感じます。

先日、山手線の車内で私の隣に座った女性は席に着いた途端にマニキュアを塗り出し、マニキュア独特のにおいが車内に漂いましたし、その前はラッシュアワーの押し合いへし合いする電車の中で、まつ毛にマスカラを塗る女性が隣にいました。

ここでもし急ブレーキがかかったら、この女性はいったいどういうことになってしまうのだろうと思いました。

これらの話を知り合いにしたところ、世の中にはさらに強者がいて、その人は車内で何と脇毛!を抜く女性を見たことがあると言っていました。ここまで来ると、もはや驚きを通り越して笑いが出てしまいます。

私自身は電車の中でのこれらの行為に遭遇すると、とても不快な気持ちになりますが、皆さんはいかがでしょうか。しかし、マイナス感情を持つとしても、その理由は人様々だと感じます。

私の場合は、化粧にしろ食事にしろ、車内で堂々とそれらをする人には、周囲の人や状況が全く視界に入っていないと感じられるからで、これはまさに無視をされているのと同じ状態だからです。

コミュニケーションにおいては、相手への働きかけをストロークと表現することがあります。ストロークにはプラスとマイナスの2種類がありますが、マイナスの中でも人が一番つらい、堪えると感じるのは「無視」だとする人が圧倒的に多いようです。

私が、車内をマイルームのように使っている人に対して、違和感や不快感を持つのは、行為自体はもちろんですが、このように「周囲を無視している、視界に入っていない」と感じるからなのです。

最近では、こうした行為は珍しくもなく、日常茶飯事のようになっていますから、それを見ても別に何も感じないし、そもそもそういった行為自体に関心を払わない人も多いのでしょう。ある意味では、これも「周囲を無視している」と言えるのかもしれませんね。

同じ行為を見ても、どのように感じるかは人それぞれだと思いますが、今後名古屋の市営地下鉄で流しているアナウンスが必要なくなるような時代はもう来ないのか、ちょっとだけ将来が心配です。

(人材育成社)