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新規電話はどのようにかければ良いのか

2016年12月14日 | コンサルティング

 「必要ないです」「購入予定はありません」

弊社では、かかってきたセールスの電話に対して、購入する予定のないものは、はっきりお断りをすることにしています。

過去にこちらがセールスの電話をかけたときに、遠回しの表現にすぐにお断りと気が付かなかったり、居留守を使われているとわからずに何度も電話をしてしまったりした経験があるからです。

後でそれが居留守だとわかったときに、必要がないのであれば、はじめからストレートに断ってもらった方が双方にとって時間もムダにならず、はるかによいのではないかと思ったものです。

こうした理由から、冒頭のようにセールスの電話には、必要がなければはっきりお断りをすることにしているのですが、そのときのセールスの対応に驚くことがあります。

こちらが断ると、「お忙しいところを失礼しました」「今後ともよろしくお願いします」と丁寧に電話を切る人がいる一方で、何も言わずにいきなり電話を切る人がいたり、ひどい時には舌打ちをしたりする人もいます。

この舌打ち、意図的にこちらに聞こえるようにしているのかどうかはわかりませんが、舌打ちをしたくなるくらい営業パーソンに余裕がなくなっているということの表れなのかな、とも思います。

私自身も経験がありますが、営業パーソンにとって新規顧客獲得のための電話工作は結構つらい仕事だと感じます。過去にお会いした営業パーソンも、多くの人が営業活動の中で新規電話が最も苦痛な仕事だとおしゃっていました。

先日お会いしたある営業パーソンによれば、新規の場合、100件電話をして訪問できるのは1件で、さらに具体的な話に至るのはその1/10、つまり1000件電話して顧客になっていただけるのは、ようやく1件程度とのことでした。

これほどのエネルギーをかけたとしても、確率は1/1000程度だとすると、新規電話に対するモチベーションを上げるのは容易でないことがわかりますし、ぞんざいな断られ方をすることも少なくないので、新規電話に対するやる気が下がるのも無理なからぬことだと思います。

同時に、新規電話がここまで低打率であるのならば、どの時間にどのようなアプローチで、どういうところにターゲットを当てて営業活動を行うのか、経営者も営業パーソン任せにせずにしっかり考えて、具体策を提示する必要があります。

さらに、営業パーソンがしっかり新規の電話工作の時間をきちんと確保できるように、環境を整えることも併せて行わなければなりません。

少なくとも、自社の営業パーソンが顧客にお断りをされたときに、顧客に聞こえるタイミングで思わず舌打ちをしてしまうくらいに余裕を失っているようであれば、早急に新規電話工作のやり方を見直さなければなりません。

新規電話をどのようにかけるのか、営業パーソン任せにせず、一方的な売り込みをするのではなく、商品の強みなどのセールスポイントをしっかり把握したうえで営業電話をかけるようにするために、経営者が率先して会社全体で見直しのために取り組んでいくことが必要です。

(人材育成社)