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マンスプレイングをしたがる人の気持ち

2019年01月23日 | コンサルティング

 マンスプレイニング(Mansplaining)とは、man(男)とexplain(説明する)をかけ合わせた言葉です。

男性が女性に「上から目線」でものを教えたがる行為のことで、女性は男性よりも無知であるという意識から、「君はこんなことも知らないのかい?」と知識をひけらかすような場合に使います。

この言葉は、アメリカ人作家のレベッカ・ソルニットが2008年に発表したエッセイから生まれたと言われています。

先日、弊社が中堅社員研修を担当させていただいた際の懇親会の席で、一人の女性に伺った話から、この言葉を思い出しました。

その女性の話によると「毎日業務がものすごく忙しいので、とにかく効率的に仕事をしたいと考えているのに、職場の先輩(男性)の説明がいちいちくどいので困っている」とのことでした。

業務について確認したり報告したりすると、その都度、業務に直接関係のないことまで、懇切丁寧な説明が始まるのだそうです。

彼女が言うには「こんなにも忙しいのに、なぜ今その話を始めるのだろうと疑問に思うようなことまで、延々と話が続くので、辟易してしまう。そういうときの先輩は、したり顔で嬉々としている。こちらが困惑していることにも一向に気づく様子がない。だから、本当に嫌になってしまう。どうにか先輩の話を感じよく終わらせるための方法はないものか?」とのことでした。

マンスプレイングをしてしまう人の根底にどのような心理があるのかはわかりませんが、相対的に相手より上位に立ちたいという気持ちの表れなのでしょうか?

そのように考えると、一般的にマンスプレイングは男性から女性に対して行われるものと言われていますが、男性上司が男性の部下へ対しても同様のことは起こりうることだと思います。また、これが女性の場合であっても同様にあり得る話です。

人間が持ち合わせる感情として、多かれ少なかれそのような心理はあるでしょう。しかし、この場合問題なのは、そういう感情を持ち合わせていることに本人が気づいていないことなのです。

さらには、それによって仕事の効率も下がってしまい、生産性に影響してしまっていることも見逃せません。

さて、そのような人への対応法の特効薬はすぐには見つかりませんが、いずれにしても「自分がそれをしていることをきちんと認識する(してもらう)こと」が解決の入り口だと考えます。

そうは言っても、実際には職場の人間関係などから、部下側から上司に対して指摘をするのはなかなか難しいケースも多いはずです。周りの人間、特にその人の上司などに指摘をしてもらうようにするのがやはり一般的です。

それからもう一つ、マンスプレイングをされている側も、今の状況を反面教師として、やがて自分自身が上の立場になった場合や、あるいは異性に対してそのような存在にならないようにきちんと意識しておくこと。これも大切なことだと思います。

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