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いつもはビジネスに関わる内容をお届けしているこのブログですが、ステイホーム週間の今は、自宅でゆっくり読めるような「お薦めの本」を紹介しています。
12冊目は、「新歳時記」 稲畑汀子編です。
「見えてゐる 海まで散歩 風薫る」
これは編者の稲畑汀子さんの句です。外出自粛が続いている日々ですが、季節は廻り薫風が吹くようになりました。
緊急事態宣言が出た頃はソメイヨシノが咲き、私も近所の散策のついでに顔を出していた土筆(つくし)を積んだりしました。その後も八重桜、つつじ、ハナミズキが咲き、ここ最近はバラも咲き始め、また新たな季節に移ろうとしています。
こういうときであっても、季節は変わらずに進んでいるんだなと感じます。
そして、そういう今だからこそお勧めしたいのが、「歳時記」です。
歳時記とは1年のおりおりの自然・人事などを記した書物のことです。また俳句の季語を集めて分類・整理し、解説や例句を載せてありますから、「季節の辞典」とも言えるかもしれません。そのためにページ数も多く、私が持っている歳時記は981ページあります。
この歳時記の読み方ですが、もちろん1月から順番に一つ一つの季語を丁寧に読み進めていけば季語のスペシャリストになれそうですが、それには少々時間とエネルギーが必要です。
それよりも私がお勧めしたいのは、「ステイホームを続けることに少し疲れたな」、「家族と一緒の時間が多いから、たまには一人になりたいな」、「テレワークに飽きたな」と感じるようなときに、今であれば5月や6月のページをめくり、目についた言葉を読むのです。
そうすると、現実の世界からちょっと離れて、歳時記を通して外の季節感たっぷりの世界を想像することができますし、それによって身も心も潤うような気持にさえなれます。
外出自粛をはじめとしてこれまでとは日常の生活がすっかり変わってしまい、感覚自体もこれまでとはちょっと違ってきているなと感じている方も少なくないのではと思います。
しかしそんな日々だからこそ、ちょっとベランダに出て外の空気を吸ってみたり、そこからの景色をゆっくり見てみたり、あるいはちょっと近所を散歩したりするだけでも、今までよりも五感がフル活用されます。これまでは見過ごしていたものが急に新鮮に感じられるような気がしますし、それは歳時記の季節感に実感をともなってつながりを感じます。
因みに、冒頭の句の「薫風」は青葉の香りを吹きおくる初夏の風のことで、夏の季語です。歳時記は旧暦を採用しているため、2、3、4月を春、5、6、7月を夏、8、9、10月を秋、11、12、1月を冬としていますので、現代の感覚とは少々異なります。
ぜひ、気持ちを切り替えたいとき、新鮮な空気に触れたいと思うようなときにお勧めです。
上記よりリーズナブルな以下もあります。