産婦人科医の仕事をしつつ、3人の子どもの子育てをし、受験勉強をしてハーバード公衆衛生大学院へ留学、そして大学院修了間際には第4子を出産して帰国。さらには昨年11月?には5人目のお子さんを出産!
これは先日読んだ「『時間がない』からなんでもできる」(サンマーク出版)の著者、吉田穂波さんの経歴です。
吉田さんは仕事・家事・育児における様々な制約を逆手にとり、子育てや家事、仕事のそれぞれで自分がやりたいことを全て行っていらっしゃるのです。この本を読むとついつい「忙しい」を言い訳にして、やりたいこと、やらなければいけないことを一日延ばしにしてしまっている私にとっては、本当に頭が下がる思いがします。
私は、仕事やプライベートで期限がはっきり決まっているものについてはそれなりにきちんとやり遂げています。今年の所得税の確定申告も期限(3月17日)がはっきりしていたので、ぎりぎり駆け込みではありましたが何とか間に合わせました。
「忙しい」ことを理由にして先延ばししていることがいくつもあるのですが、では本当に「忙しいのか?」「時間があれば本当にやるのか?」と自問してみると、自信をもってそうとは言い切れない部分もあります。
そう考えると、「忙しい」は案外格好の言い訳になっているのだろうと思います。
環境を整えてから物事を始めることは大切だと思いますが、逆に与えられた環境や条件の下で思い切ってスタートしてみることも存外に良いかもしれないと思っています。
完璧な状況を待っていたら、一生待ってもその時はやってこないかもしれませんし、自ら無意識にハードルを上げてしまっていて、その時がくるのを遅らせているかものしれませんから。
ところで、仕事には必ずといっていいほど制約があります。
Q(品質):成果物に求められる水準、仕事の「完成度」
C(コスト):利用可能な経営資源(人・物・金)
D(納期):仕事の締切り
この3つの制約条件がついてまわるのですが、目的とする成果を最大にするためには、この3つの中で優先すべきものをその都度選択しなければなりません。
品質を優先するのであれば、納期やコストが二の次になることもありますし、コストを優先するのであれば他の二つを犠牲にせざるを得なくなります。納期についてもしかりです。
3つの条件が全部揃うなどということはそうそうないのですから、何をやるのか、いつ始めるのかを検討する時には、同時に制約条件の中で一番大切にするものは何か、犠牲にしても良いのは何かを選択しなければいけないのです。
さて、時には自分自身が先延ばしにしていることの中に、もしかしたら条件のせいにしていることがあるのでは?と自問してみることも大切ではないでしょうか。
(人材育成社)