「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
新型コロナウィルス感染症によって、売上や資金繰りに影響を受けた中小企業は数知れません。多くの企業は国や自治体の支援制度を利用したと思います。感染症の波は今のところ収まっているようですが、いまだに予断を許さない状況です。売上は落ち込んだままなのに「利用できる公的な支援は全て使ってしまった」という会社も少なからずあります。早急に次の手を打たなければなりません。
そこで打ち手の一つとして「よろず支援拠点」の利用をお勧めしたいと思います。よろず支援拠点は、国(中小企業庁)が設置した無料の経営相談所です。全国47都道府県に相談窓口があり、ほぼ毎日のように県内のどこかで相談会が開かれています。中小企業・小規模事業者の売上拡大、経営改善など経営上のあらゆる悩みに専門コーディネーターが対応してくれます。
最近、ある中小企業の経営者と話していたときのことです。「誰か優秀な(中小企業診断士の)先生知りませんかね?」と聞かれました。「何か問題があるのですか?」と聞くと「売上が一向に回復しないんだ。もともと受注処理が複雑な上に、コロナ禍で対面営業ができなくなったせいだと思う」続けて「そこで最近よく耳にするDX化をはかりたい。」と言いました。
私は、中小企業診断士に頼む前に「よろず支援拠点」に相談してみてはと提案しました。すると「うーん、役所に聞いてもどうせ教えてくれないだろう。」と言いました。どうやら「役所」に対して不信感があるようです。中小企業の経営者の中には国や自治体、いわゆる「役所」を嫌う人たちがいます。「お役所仕事は休まず遅れず働かず」、「民間企業と違って潰れないから気楽だ」、「給料も年金も十分貰えてうらやましい」そういう言葉を聞くこともあります。
少し脱線しますが・・・当社は数多くの国や自治体の研修を長年行っており、その経験から「役所」の仕事については十分に理解しています。公務員の仕事は「お客さんを選べない」という点で民間企業よりもハードです。特に「現場」のリーダーである監督職に対する研修などでは、かなりきつい業務の実態を知ることができます。そして、ほとんどの職員がそうした業務に献身的に取り組んでいるのです。ですから、公務員を揶揄する言動を耳にするとつい反応してしまいます。
さて、よろず支援拠点ですが、国の事業とはいえ職員が直接窓口になるわけではありません。専門コーディネーターである中小企業診断士や税理士、社会保険労務士などの「士業」だけではなく、デザインやITの専門家などが担当します。「よろず支援拠点全国本部」のホームページによれば昨年度の相談件数は約43万件、相談者の約9割が従業員数20名以下の企業で、相談内容の約67%が売上拡大についてでした。
売上についてはもちろんですが何らかのお悩みがあるならば、一度よろず支援拠点を活用してみてはいかがでしょうか。
最後に、その際のアドバイスを一つ差し上げておきます。「正解を求めない」ことです。ビジネスに「正解」がないことは経営者であれば誰でもわかっていることですよね。
(よろず相談拠点)https://yorozu.smrj.go.jp/