いま、あなたの手元に30億円の現金があったとします。とても想像がつかない方は、目の前の紙に30億円と書いてみてください。
実はこの30億円で今発売中のジャンボ宝くじを全部買い占めることができます。
ジャンボ宝くじは1枚300円で1,000万枚発行されますから単純に掛け算をすると30億円。したがって1枚残らず買い占めることができるわけです。
抽選が終わったらその1,000万枚を銀行に持っていけば1等・2億円から6等・300円まで総取りできます。すごいですね!
で、総取りでいくらもらえるでしょうか・・・宝くじの裏に当せん金額と本数があるので簡単に計算できます。Excelがあれば表にしてみると分かりやすいです。
・・・答えは、14億7,440万円です。そう、15億円以上損をしてしまいます。これは考えてみれば当たり前のことです。そうでなければ宝くじを売り出す意味がありません。
30億円払って14億7千万円ですから、1枚300円の宝くじは147円の価値しかないということになります。これを期待値と言います。では、なぜ147円の紙を300円も出して買うのでしょう。私はその差額153円は「夢」の代金なのだと思います。短くもはかない夢ですが。
人材育成は宝くじではありませんが、やはり「期待値」はあると思います。研修・自己啓発に投じた時間や費用は、将来必ずプラスになって戻ってきます。ただし、将来のリターンが投じたコストを上回るか否かは、本人が習得したスキルや知識を積極的に使うかどうかにかかっています。宝くじと違って自分で期待値を決めることができるのです。宝くじを買うお金があったら本を買うべきです。その方が将来得をする確率がずっと高いはずです。
さて、以下は宝くじにまつわる都市伝説です。
信じるのは自由ですが、数学的にはナンセンスですのでご注意を!
・当たる確率の高い売り場がある
・ある「組」は他よりも当たる確率が高い
・男性なら「T.K」の水瓶座が一番当選しやすい
・女性なら「M.K」の魚座が一番当選しやすい
最後にことわざをひとつ紹介しておきます。
「宝くじは愚者がよろこんで払う税金である」
・・・私は・・・ときどき愚者になることがあります。
(人材育成社)