「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。
叱ることとパワハラの違いは、このブログで何度も触れています。場合によっては、上司は部下を「叱って」指導しなければなりません。それを「パワハラになるから」と言って一切何もしないのは、上司としての責任の放棄です。
「たしかに叱ることは部下指導のひとつの手段だということはわかりました。」ある会社の管理職研修で1人の受講者が言いました。「でも、自分には部下にそんな偉そうなこと言う資格はないんじゃないかと思うんです。」と続けたのです。
誰かを批判するときに「あなたにそれを言う資格はない」という言い方をよくします。噛みくだいて言うならば「あなたの現在の立場や普段の言動から考えると、相手を非難したり叱ったり指導したりするのは、やり過ぎだし説得力がないので傍(はた)で見ていて不快になる。」ということでしょう。まして「叱る」などというのはとんでもない!というわけです。
もちろん「資格」というのはたとえ話ですが、部下指導に関してこれほどミスマッチな言葉はありません。
もし、会社の中で「資格」がどうのといった理屈がまかり通ってしまうと、会社は間違いなく崩壊します。叱らないことで誤った行為が正されずそのまま行われ続ければどうなるか、想像に難くありません。
上司が部下を指導し、必要に応じて叱ることは仕事の一部です。「自分には部下にそんな偉そうなこと言う資格はない」と言うのは「自分は仕事を放棄します」と言っているのに等しいのです。それは、大げさなことではなく労働契約法第3条(労働契約の原則)に違反する行為です。
経営者のみなさん、もし「部下を叱る」ことができないという社員がいたとしたら「それは仕事の一部であり、それをしないことはサボタージュである」ということを明確に伝えてください。
それでも「叱り方がわからない」、「部下指導に自信がない」という社員が1人でもいたら会社の将来は危うくなります。そうならないよう、部下を指導する立場にある社員全員に必ず部下指導研修を受けさせてください。
部下指導研修こそあらゆる研修の中で最も必要な研修です。