「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
本年も当ブログをどうぞよろしくお願いいたします。
「評価者に感情が入ってしまうようで、正しい評価ができません。評価が適正にできるように研修をしてもらえませんか?」
弊社では、中小企業の社長からこうしたご相談を定期的とも言えるほどにいただきます。毎年の賞与の際の社員の評価にあたって、管理職が部下の評価を適切に行うことができずに部下のモチベーションが下がってしまうとのことで、どうしたらいいものかとのご相談をいただくのです。
このような話をいただいた場合、私は現状を伺うために必ず訪問し社長からじっくりお話をお聞きすることにしています。すると評価がうまくいっていない理由は案外シンプルで、実はいずれの企業でも「目標を立てていない」という共通の問題点があることが多いのです。目標を立てていない理由には様々なことがあるようですが、多くの社長は目標を立てること自体が難しいと感じているようです。
話は変わりますが、今年も新春の風物詩となっている箱根駅伝が行われ、ご存じのとおり青山学院大学が大会新記録で8度目の総合優勝を果たしました。私は毎年1区と10区で沿道から選手を応援しているのですが、選手の後ろには各校の監督が乗る車が付いていて、原監督の表情をすぐ近くで見ることができました。今年の1区では選手の走りが予定とは異なる状況だったからか、通過した際の原監督は少々憮然としているようにも見える固い表情でした。一方、翌日の最終10区では2位を大きく離してトップを走る選手に対して、余裕の表情で明るく檄を飛ばしているのを目にしました。
青山学院大学がこれまで何度も総合優勝している理由には様々なものがあるのだと思いますが、その一つに原監督が指導の一環として目標管理制度を導入していることが有名です。
原監督は毎年、まずチーム全体の目標を決めて、その後個人の目標を1カ月ごとに具体的に記入させ、次にその目標に到達するために実行する行動目標を細かく記入させるとのことです。そして、各々が記入したものを一斉に壁に貼り全体で共有することにより、一人ひとりの意欲を徐々に高めていくのだそうです。そうすることで各選手の自主性を促し、監督が逐一細かく指導しなくても「自ら考え行動する」選手になっていくとのことです。
これらからもわかるように、物事を勝利に導くためには、あるいはきちんと進めていくためには、やはり目標をしっかり立てることが必要だということです。
そして、このことはビジネスシーンでも同様です。冒頭の評価の例で言えば、目標を設定しないまま評価だけをしようとしても、何を根拠にすればよいのかわからないということになってしまいます。同時にそもそも評価される側もどこに向かってどのように頑張れば良いのかわからない状態で仕事をすることになってしまいます。そうなると、評価する方もされる方も曖昧模糊とした状態となってしまい、評価のタイミングでたまたま実績を挙げた人を高く評価し、その反対も然りということにもなってしまいかねません。
さらに言えば、新年のはじめに「今年はこのようにしたい」と考えることは、各々が具体的に目標を立て、それに向けて具体的な行動をとることにより、自身がイメージする形に近づけることができるわけですから、目標管理制度の有無に関わらず重要なことです。
「一年の計は元旦にあり」との言葉は戦国時代の武将、毛利元就のものとの説があるそうですが、この言葉のとおり物事は初めが最も大切で、最初に計画をしっかり立てることが大切だということを、年頭にあたり改めて肝に銘じたいと考えています。