「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
「オンとオフのメリハリがつけにくい」
先日(1月13日)の朝日新聞の記事によると、テレワークに関して62%の人がこのように回答し、あてはまらないとした人の38%を大きく上回ったとのことです。
テレワークにおけるオン・オフのメリハリは、新型コロナの第3波の到来によりテレワークの導入を一層強化する企業が増えている中で、顕在化してきている問題の一つです。
テレワークに関しては、上司が四六時中カメラで仕事の状況をチェックするような企業がある一方で、そこにはこだわらずに成果のみを重視している企業もあります。
先日、研修でお会いしたある企業の主任の方は「私の上司は細かく監視するようなことは一切しません。その代わり、結果を出してくれればよいからというようなことを頻繁に言います。自由に仕事に取り組めることは良いのですが、その分成果が問われるために結構なプレッシャーです。実は最近あまり眠れなくなりました。朝も早い時間に目が覚めてしまうのです」と話してくれました。
昨年来、コロナ禍をきっかけに多くの企業でテレワークの導入が一気に進み、間もなく1年になろうとしています。これまではどちらかというとテレワークのメリットが強調されることが多かったように感じていますが、最近では冒頭の記事のように様々なデメリットについても意識されるようになってきているようです。
その一つが前述のような部下のメンタルヘルスに対するマネジメントです。これまでのように対面で仕事をしていれば、部下の仕事に対する姿勢や表情・しぐさなどから、日々の体調などを知ることができます。少々様子がおかしいなと感じたら面談をしたり、仕事の量を調整したりするなど、職場環境を改善するなど早め早めの対応をとることができます。
しかし、テレワークにおいては、たとえばパソコンの画面を通すと細かな表情や様子が分かりにくいことから、どうしてもこういった面の把握が対面よりもしにくくなってしまいがちです。部下の方から不調である旨を言ってくれればよいのですが、自ら声を挙げることには結構エネルギーがいるため、実際にはためらってしまうケースも少なからずあるはずです。
また、そもそもメンタルヘルスに不調をきたしてしまうと、自ら声を挙げること自体が難しくなってしまう人も多いはずです。
それでは今後、どうしていけばよいのでしょうか。
まずは、それぞれの企業でメンタルヘルスを含めたテレワークに関するガイドラインを作ることです。業務に関して報告すべき内容やそのタイミングなどをルール化しておき、すべての社員がそれを共有し運用するようにしておくこと。特に管理職の側がそれをきちんと理解しておくことが必要になります。
冒頭の「オンとオフのメリハリ」についても、仕事の合間には適度な運動を取り入れることや、会社の内外を問わず適宜積極的にコミュニケーションをとるようにすることなどをあわせて示しておくことです。そうすれば部下の側も上司の側もより進めやすくなるのではないでしょうか。
これまでは手探りで進めてきた面も多かったテレワークですが、今後も引き続き勤務の一つの形として定着させていくためには、こうした視点での取り組みが欠かせないものと考えています。