「頭がいい」とはどういうことなのか、それを定義するつもりはないのですが、私たちの周りには確かに頭のいい人がいます。
回転が速い、要領が良い、記憶力がすごい・・・そして成績が良い、様々な頭のよさがあります。さらに最近は「地頭がいい」などという言葉もよく聞きます。
テレビのクイズ番組で高得点を取るためには、まず知識の量が問われます。会議の場で議論になったときに相手をやり込めるためには、論理的な思考力と素早い判断力が必要になります。
その人が置かれた状況によって、その人の頭のよさが決まると言っても良いでしょう。
ところで、頭がいい人は会社の中で出世するのが早いのでしょうか。
会社勤めが長かった私の経験から言えば「イエス」です。
もちろん例外もあります(”例外”などというには多過ぎるほどですが)。それでもやはり出世するのは頭がいい人たちです。
最近、いくつかの大企業で不祥事が発覚し、ニュース番組で社長、役員クラスの人たちが一列に並んで一斉に頭を下げる絵をよく見かけます。
頭のいい人たちがそうでない人たちに頭を下げるのは、さぞや屈辱的なことでしょう。
さて、人材育成とは従業員をその企業が求める人材像に近づけるための行為です。
したがって人材育成の成果(アウトプット)は、その企業の中で評価される、つまり出世する人間ということになります。
その最終成果物(?)である役員たちが一斉に頭を下げる様は、私たち人材育成に携わる人間にある種の無力感を覚えさせます。
企業研修のテーマにおいても「常識」というコンテンツが必要な時代になってきたのかもしれません。
(人材育成社)