研修を行う際の講師は「社内講師」と「外部講師」に大きく分けることができます。
社内講師による研修は、たとえば経理部長が財務会計の講義をする、企画部の課長がマーケティングの講義をするといったことです。
この場合のメリットは自社の事情に合った講義ができることです。一方デメリットは、教えることが専門ではないので受講者に上手く伝わらないことです。
また、一見コストがほとんどかからないように思えますが、講師役の社員の準備時間および機会費用を考えるとかなり高くつくことになります。
その点、多少コストは発生しますが、研修会社や専門家などに依頼して講師を派遣してもらう方が研修としては上手くいきます。
ただし、外部講師の選択には十分な注意を払わなければなりません。
研修会社の営業担当者の話や経歴書だけで採否を判断してはいけません。短時間でも良いので、実際に講師と面談して判断する必要があります。
その際、講師の話し方や態度をチェックするのはもちろんですが、依頼する分野の知識も確認してください。
特に「コミュニケーション研修」、「ファシリテーション研修」といったヒューマンスキル系の研修は要注意です。この分野は比較的多くの入門書が出版されており、それらを数冊読めば簡単に教えることができそうに思えてしまいます。
そのため、本来は学術的な裏付けが必要な内容なのに、表面的なことだけを面白おかしく伝えておしまいといった講師も数多くいます。
上の画像は有名な「マズローの欲求5段階説」でおなじみのピラミッドです。ヒューマンスキル系の講師と面談したらこの絵を見せて、ぜひ次の質問を投げかけてください。
「①~③には何が入りますか?」
まともな講師なら答えられて当然なのですが、もしわからなかったらその講師を採用してはいけません。講師としての常識が無いからです。
さらに「そんことは研修内容とは関係ない」と居直ったら最低の講師だと思って間違いありません。
くれぐれもご注意ください。