「何で○○するんだ!」「何で○○しないんだよー!」
今日一日で、このフレーズを50回は聞いたのではないかと思います。
我が家の前の道を挟んで、はす向かいにある家の外壁工事が始まりました。棟梁が足場を組んでいる職人にいろいろ指示を出しています。しかし、棟梁の思うように職人が動けないようで、その都度叱咤の声が・・。
「何で?そうやるんだ?」「何で?○○できないんだ!」「何で?」「何で?」・・・棟梁の言葉は、エンドレスです。その都度、職人の返答はありませんし、だんだん萎縮しているような雰囲気も・・。ただただ、言い続ける棟梁と、言われ続ける職人です。
あまりに沢山、このフレーズが繰り返されたため、私が言われているわけではないのに、いたたまれない気持ちなり、予定を繰り上げて外出しました。
部下を叱ることができない上司が問題になる一方で、部下を追いつめる上司の存在も問題です。
「何で○○したんだ!」というフレーズは、過去を追求する言い方です。もし、これが「どうすれば、○○できると思う?」と質問の仕方を変えれば、部下の返答が得られるかもしれません。
足場の高さは4階の建物くらいあります。危険を伴う仕事ということもあり、悠長に指示を未来形にして、部下がわかりやすい表現で伝えることを考える余裕なんてないと言われるかもしれません。
もちろんそうだと思います。でも、50回出す指示のうちの数回でも言い方を変えてみると、状況はだいぶ変わるのではないかと思います。
職人に「なぜ?」と言い続ける目的は何ですか、ただ怒るのでなく「育成」することを忘れていませんか、と棟梁に聞いてみたくなりました。
(人材育成社)