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「知って行わざるは、知らざるに同じ」
これは、江戸時代の本草学者、儒学者の貝原益軒の言葉です。「知っていても行動に移さなければ、全く知らないのと同じことだ」という意味です。この言葉を耳にするたびに、知識を持ってはいても、それを基にして行動することは簡単なことではない。実行するということは、次のステージに上がらなければならないことだと改めて感じます。
さて、最近、新聞などの広告でスティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」という書籍について、全世界で累計4,000万部、国内で240万部を超えて読まれ、20世紀にもっとも影響を与えたビジネス書だという宣伝をよく目にします。
既にお読みになったという方も多いと思いますが、簡単に内容を紹介すると、「主体的である」こと、「終わりを思い描くことから始める」こと、「最優先事項を優先する」ことをはじめとして、全部で7つの習慣を通して「成功を手に入れ、充実した人生を送る」ための方法が紹介されいます。
実は私自身、1996年に日本語版が出版された際に読んだ一人です。その後も、「マンガで学ぶ7つの習慣」、「13歳から分かる!7つの習慣」など、新たなバリエーションが出るたびに読んでいますので、7つの習慣そのものは一通り理解したつもりになっています。しかし、では、それらをどれくらい実行できているかとなると、正直なところあまり自信はありません。
この本の7つの習慣に限ったことではありませんが、私たちが知識として学んだものを自分のものとして身に着け、それに基づいてしっかりと実行に移すということは、決して簡単なことではないのです。
明時代の中国の陽明学に「知行合一」という言葉があります。これは「知って行わないのは、真に知っていることではない」ということであり、冒頭の「知って行わざるは、知らざるに同じ」と同じ意味合いです。
かように「知ったことをしっかり実行する」ことは難しいものであり、私たちのとって永遠の課題の一つなのではないでしょうか。「7つの習慣」が世界で4000万部も売れているということはその裏返しであり、「知」を「行」に結び付けたいという思いを持つ人がいかに多いかということを示しているのかもしれません。
さて、皆さんは知ったことをしっかり実行に移すことができていらっしゃるでしょうか?これを機会に、一度振り返ってみてはいかがでしょうか。
(冒頭の写真はウィキペディア⦅Wikipedia ⦆より)