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さいころ

 高校生の女子生徒が面白いものを持っていた。「サイコロメモ」。

 

 紙一面に昔よく食べた明治製菓の「サイコロキャラメル」の展開図が描かれていて、切れ目の通り切って組み立てればサイコロが出来上がる。もちろん裏面はメモ用紙になっているため、文房具としての機能も果たす。懐かしさにつられて、1枚もらって組み立ててみた。

  

 簡単に作れたが、紙質も厚めで思ったよりもしっかりしている。最近の文房具は本来の用途だけでなく、付加価値をつけないと主な購入者である子供たちに選ばれないのかもしれない。でも、こんなメモなら大人でも喜んで買うような気がする。
 などと考えていたら、立方体の展開図って何種類あったっけ?と疑問がわいてきた。小学生で学習することであり、私立中学を受験する子供たちには必須の暗記事項なのに、塾長たるものがそんなことを思い出せないでどうする!大急ぎで調べてみた。
 すると、回転したり裏返したりして重なるものは同一のものとみなせば、「立方体の異なる展開図は11種類」であることが分かった。二度と忘れないようにしなければならないが、度忘れしたときのために異なる展開図の見つけ方を以下にメモ書きしておこうと思う。(4つの正方形が横に並び、その上下に正方形が並んでいる展開図を1-4-1型と名づける)


 立方体の展開図は、1-4-1型Aを基本形として、重なっている1辺を切って左右どちらかに90°回転していくことで別の形を作ることができる。上の図では、1-4-1型Aの下の正方形を90°右に回転させたものが 1-4-1型Bであり、さらに90°ずつ回転させていくと 1-4-1型C、1-4-1型Dとなる。また、1-4-1型Bで上の正方形を右に90°回転させたものが 1-4-1型Eであり、1-4-1型Cで上の正方形を右に90°回転させたものが 1-4-1型Fとなる。あとはひっくり返したりすればどれもA~Fの形になってしまうので、1-4-1型はこの6種類だけということになる。


 次に、1-4-1型Dを、写真の図中赤く塗られた辺で切って縦2つの正方形をまとめて左に90°回転させると、1-3-2型Gとなる。このGの上の正方形を右に90°ずつ回転させると、1-3-2型H、1-3-2型Iとなる。1-3-2はこの3種類である。
 さらに、1-4-1型Aの赤く塗られた辺を切って、縦3つの正方形をまとめて左に90°回転させると、3-3型Jになる。(縦に並んだ形を横向きにする)
 最後に、1-4-1型Bの赤く塗られた辺で切って、右2つの正方形をまとめて90°回転させると、2-2-2型Kとなる。(これも縦に並んだ形を横向きにする)
 あとの形は一見違うように見えても、回したりひっくり返したりすればみなこの形のどれかになってしまうので、合計は11種類ということになる。本当にこれだけか?と疑問が浮かんでくるが、その証明はかなり難しいのでここでは省略する。

 こんなことは、普段の生活には何の役にも立たない知識であり、知ってて損はない豆知識でもないだろう。でも、算数のこうした薀蓄を語れる人ってかなりクールだと思うが、どうだろう。
 


 
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