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「住環境の改善」


 カブトムシの幼虫を育てている飼育箱が、目立って汚れてきた。古畳に産み付けられた卵からかえった幼虫を腐葉土の中で育てているのだが、長さ5mmほどの黒い塊が日に日に増えてきた。さすがにこのままにしていてはいけないだろうと思い始めた。父が大量に持ち帰った幼虫のうちの何匹かを育ててくれている小学生にどうしたらいいか相談してみた。
「これってフンだよね」
「はい」
「新しいおがくずに変えた方がいいかな」
「いいと思いますよ。ちょっと汚いし」
「君んちの幼虫はフンしないの?」
「するけど、こんなにいっぱいしないです」
「じゃあ、こいつらは何でこんなに大量のフンをするの?」
「分かりません」
事情はよく分からないけど、このままじゃ余りに幼虫たちがかわいそうな気がする。フンまみれの中で暮らすなんてさすがの幼虫たちもいやじゃないだろうか、などとまったくの人間目線で考えても、幼虫たちには迷惑かもしれない。だが、飼い主の私がこのままでは我慢できない。棲家をきれいにしてもらって文句を言うやつはいないだろうから、幼虫たちにも協力してもらおうと決めた。果たしてこれが吉と出るか凶と出るか、とりあえず試してみることにした。
 材木商の叔父の家からおがくずをもらってきた。父が大工をやってた頃には、夏になると近所の子供たちがおがくずをもらいにやってきたのを思い出す。

 
 見た目にはこちらのほうがさわやかで気持ちがいい。小学生によれば幼虫はおがくずを食べて生きているらしいから、これだけ新鮮なおがくずがあればきっとうれしいに違いない。勝手にそう思い込んで、幼虫をおがくずの上に置いてみた。


 全部で6匹、ちゃんと生きていた。かつては大きさに差があったのに、今は大体同じ大きさになっている。順調に育っていると思ってもいいのだろうか。水をかけてやったら嬉しそうに伸びをするものやら、体をくねらすものもいて見ていて飽きない。しばらくすると全部おがくずの中に引っ込んでしまったが、住み心地はどうだろう。猫や犬なら離せなくてもしぐさで少しは気持ちが分かるが、さすがにカブトムシの幼虫では何を考えているのかまったく分からない・・。(当たり前か)でも、毎日少しずつ世話しているうちに愛着がわいてきたから不思議だ。

 ここまでが先週土曜日の記録。月曜日になって様子をうかがったところ、1匹の幼虫が外に出て、寛いでいた。


なんとまあ、のんびりした様子だろう。きっと新しいおがくずが気に入ってくれたんだ・・。 
 はやくさなぎに変身してくれないかな。楽しみだ。
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