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代打

 DH制のないナ・リーグ主催の試合では、膝の状態が思わしくない今の松井が、ベンチスタートになるのもやむをえない。しかし、代打での出場はあるかもしれないので昨日の試合経過はまめにチェックしていた。結局は松井が登場することはなく、5-12でヤンキースは大敗、なんともつまらない試合だった。そんな下らぬ試合に出て、松井のヒザに余計な負担がかからなかったのを喜ぶべきかもしれないが、それでも松井の活躍する姿を見たかったという気持ちは抑え切れない。昨日の試合で松井を代打に送る場面はなかったのだろうか、松井のヒザが試合に出られる状態であると仮定して、私なりに考えてみた。
 DH制がないということは投手が打席に立つわけであるから、投手交代をするのも打順と照らし合わせて考えなければならない。それは、投手に打順が回った時は代打を送るチャンスでもあることを意味している。特に、投手が不調の場合、投手に打順が回ったとき、そのまま打たせるかどうか、続投させるかどうかを決断するのが監督の大きな仕事となる。
 昨日の試合では、ヤンキースの先発投手ラズナーが不調だったようで、初回に早くも2点取られてしまった。2回はなんとか0点に抑え、彼に最初の打順が回ってきたのは3回表、この時点なら彼を続投させるのは妥当であるから、打席に立った。しかし、3回裏にさらに1点を取られ、不安定な投球から立ち直ることはできなかった。それでも、4回のヤンキースは3点差を追って反撃を始める。カノーのタイムリーで1点を返し、1-3と2点差。さらに8番の新人クリスチャンがヒットで続き、2アウト1・2塁(または1・3塁)となり、ラズナーに2度目の打席が回ってきた。このところのラズナーは登板の度に打ち込まれることが多く、昨日もこのまま投げさせたら大量失点につながる恐れは、素人の私でさえ感じられた。ここでラズナーに見切りをつけて、代打を送って得点のチャンスを広げる作戦は十分考えられたと思う。エース級の投手なら簡単には代えられないかもしれないが、ラズナークラスの投手なら早い回で交代させるのもできるはずだ。彼を先発させた時点で、継投で繋ぐ覚悟はしていたはずだろうから、ここで代打を送ってもよかったのではないだろうか・・。
 この日、控え選手としては、松井・デイモン・モリーナ・ベテミットなどがいた。この回で松井かデイモンを使うのはさすがに早いとは思うが、モリーナを代打に送って攻めの意志を内外に見せて欲しかった。実際には、ラズナーがそのまま打席に入り、四球で歩き満塁となるも、次打者カブレラが凡退して1-3のまま攻撃を終えた。結果で言えば、ラズナーが繋いだのだから、そのまま打たせてよかったとも言えるが、次の4回裏と5回裏に続投したラズナーが2点ずつ取られて1-7と6点差に開いてしまったのだから、何をか言わんやである。それにしてもどうしてここまでラズナーに固執するのだろう。先発ピッチャーの駒が不足しているヤンキースだから仕方がないのかもしれないが、みすみす負けることを認めるような試合運びには不満が募る。ジラルディーはいったい何を考えているのだろう、私にはまったく分からない・・。
 それでもヤンキース打線は粘りを見せ、6回にはクリスチャンが2点タイムリーを放ち、3-7と詰め寄る。この時、1アウト2塁で次打者がまだ投げさせていたラズナーなので、当然代打が送られた。ここで登場したのがモリーナ・・。何故?反撃の芽が膨らみ始めたこの時に、一気に流れを自軍に引き寄せようと思うのなら、松井かデイモンを使うべきだったと私は思う。勿論この2人がいつでも打てるわけではないが、とにかく勝負どころをとらえて、「勝つぞ!」という姿勢を鮮明にすることが必要だ。ジラルディーの用兵を見ていると、打つ手が1手ずつ遅れているように思えてならない。動いて失敗する場合もあるだろうが、納得できる動きならば、何もしないで失敗するよりもずっといいように思う。「監督が率先してチームを勝ちに行かせるためにできる限りの手を尽くす」、そうした監督像が当たり前だと思ってきた私には、ジラルディーはただただ手をこまねいているだけの凡庸な監督にしか見えない。
 この時は代打モリーナ、続くカブレラが凡退してしまい、3-7で6回の攻撃は終わった。その後は7回2点、8回3点と救援投手が次々と打ち込まれ、ヤンキースの反撃も9回のアブレイユの2ランだけにとどまり、結局松井とデイモンに出番はないまま屈辱的な大敗を喫した。まさしく宝の持ち腐れだ・・・。
 勿論チーム事情など何も知らない私の戯言だから、的外れなことばかりかもしれないが、それでもこの試合のように、手駒を上手に生かしきれないままシーズンが進んで行ったなら、ヤンキースがポストシーズンに進むなどということははなかい夢幻に終わってしまいそうだ。松井が治療に専念できる時間が早くやってきて、来季に捲土重来を期すにはそれでもいいのかもしれないが、そんな寂しくて悲しい10月などお断りだ!!
 何とかジラルディーに勝負勘を磨いてもらうしかない。 
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