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初ゑびす

 正月5日は初ゑびす、夜中12時から祈祷が始まる。毎年4日の夜の授業を終えた後で出かけるものだから、お寺に着くのは12時近くになってしまう。ところが、今年は4日が日曜日なので授業は6時半で終わる。これはチャンスだ!と日程表を作ったときに思った。何がチャンスかといえば・・。
 私が毎年初ゑびすに行くお寺は、先着50人に鯛の落雁を配ってくれる。いつもなら私が着くころには長蛇の列ができていて、とてもそんな光栄に浴することはできない。もう30年近くも毎年行っているが、今までに3回くらいしか頂いたことはなく、列の前方で鯛を受け取っている人を見ると羨ましくて仕方がなかった。それが今年は早く出発できる!そう思うと何だかワクワクしてきて、年が明けてからずっと楽しみにしてきた。娘と息子もまだ家にいると言っていたので、11時に出発するぞ!と何回も念を押しておいたし、父にも「鯛がもらいたいから」といつもより早く出る理由を説明しておいた。父は「鯛なんかもらっても有難くないだろう」とへそ曲がりなことを言ったので、「娘がうまく就職できるように縁起担ぎをしたいから」と私が答えると、孫娘に弱い爺は「分かった」と素直に返事をした。
 
 などという思惑を秘めながら息子の運転で出発したのが11時過ぎ、これなら多分大丈夫だろうと高をくくっていたのに、寺に着いたらもう相当の数の人が焚き火を囲んで待っていた。これは微妙なところかな・・、と思いはしたがこれ以上早く出かけることは無理だったので、仕方ない、運良く50人以内になればいいが、さもなければすっぱりあきらめようと覚悟を決めた。

 

 例年と比べればさほど寒くはなかったが、さすがに長時間並んでいると手足がかじかんでくる。交互に焚き火で暖を取りながら、12時を待った。
 
 12時になったのは鼓の音が境内に鳴り響いて分かった。自分より前に並んだ人の数をざっと見ると50人近くはいるように思える。微妙なところだな・・、と娘や息子と話すうちに私の順番になった。前に並んだ人のところで落雁は切れてしまったように思えた。やっぱり駄目だったか・・、とあきらめた瞬間にもう一箱落雁が並べられた箱持ってこられた。「やった!!」と嬉しさは胸に秘めていると、後に続いた父・娘・息子、すべてが落雁をもらえた!!なんて運がいいんだろう!!


 何だかものすごく幸せな気持ちなれた。私の分は塾に祀り、父の分は家の神棚に祀った。娘と息子の分は、伯母と従姉妹の家に渡すことにしたが、早く家を出た甲斐が本当にあった。帰りの車中、父も私も子供たちも気持ちがハイになってやたら大声で喋ってきた。ちっぽけだけど大きい、そんな運だめしを重ねながら、私たちの新しい年は次第にその姿を顕わにしていくのであろう。
 がんばれ、私たち!!!
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