goo

成人式(2)

 息子が成人式に出席した。前夜10時頃に帰宅した息子の衣装一式はこちらに置いてあるため、鞄一つを抱えただけの身軽な帰宅だった。何か特別に用意することもなく、身一つで出席すればいい、そんな雰囲気だった。3年前の娘の成人式はこんな感じではまるでなかった。その時の様子はこのブログに書いてあるので、今その記事を読み返してみたところ、家族中の気合いが頂点に達していたのがよく分かって、何だか懐かしい気がした。それにしても女の子と男の子ではこうも違うのだろうか・・。確かに振袖を用意する必要もないし、着付けや髪のセットなどで早朝から美容室に行く必要もない。普段と同じ時間に起きて、ちょこちょこっと服を着替えたら準備完了、実に簡単なものだ。当然親として気合を入れる必要もなく、ただ用意ができた息子の晴れ姿を何枚か写真に収めてしまえば、もう満足だ。あとは友人とともに公民館に向かう息子を車で送って行ったら、息子にしてやれる親としての務めは終わってしまった。実にさっぱりしたものだ。
 それでも途中、伯母の家に立ち寄って息子に挨拶をさせた時、喜んでくれる伯母の嬉しそうな顔を見ていたら、少しばかり熱いものがこみ上げてきた。よくぞここまで育ってくれたものだ、などと私らしくもない感慨を抱いてしまったのだ。「おめでとう!」と言いながら、家から出てきた従姉妹も本当に嬉しそうな顔をしてくれた。妻も含めて4人で並んだ写真を私が撮った。本当は満面笑みをたたえた4人の写真をここに貼り付けたいが、そんなことをしたら怒られてしまうので、ここは自重しておく。ただ、この日の記念は何か残しておきたいので、息子の足元が写った写真を貼っておこう・・。(これなら許してもらえそう)


 息子が式に出ている間にお祝いを頂いた親戚に赤飯を配った。3年前は式が終わった昼過ぎから、娘を引き連れて回ったものだが、今年は私が午後から塾があったため、午前中に私と妻だけで親戚を訪ねた。振袖姿の娘が一緒だったときは、私も心が浮き立っていただろうが、妻と二人ではテンションも下がり気味なのは仕方ない。行く先々で、朝撮った息子の写真を見せたものの、やはり本人がいなくては盛り上がりに欠ける。「どうしたって振袖には負けるよなあ・・」などと3年前を懐かしんでしまうのも、無理ないことに思われた。
 でも、昨日は時折吹雪のように雪が舞う寒い一日だったので、晴れ着を着た女の子たちには可哀想だった。息子だって一張羅のスーツに買ったばかりのコートを羽織っていたから、できれば晴れやかな天気の元で式に参列させてやりたかった。だが、式典の後の昼食会まで参加した息子が帰ってきたときは、薄日が差していたから、案外運がいいのかもしれない。たとえ、嵐が吹き荒れていても、たゆまぬ努力を重ねていけば、必ず日の目を見るときが来る、そんな天からのメッセージだったのかもしれない・・。
 
 帰宅後、息子を父と並ばせて写真を撮った。こういう時には妙に照れる父は珍妙な顔をして写真に収まった。娘の時も一緒に写真を撮ったはずだが、そのときの写真はどこにあるのだろう・・。そうこうしていると、塾生が集まってきたので、一人の女の子に頼んで、息子と私の並んだ写真を一枚撮ってもらった。なかなか上手に撮れていて、いい記念になった。プリントアウトして飾っておこうかな・・。
 その後、妻の実家に挨拶に行ってから、高校時代の友人と祝杯をあげに名古屋まで出かけた息子は、家に帰って来ずにそのまま東京に帰っていってしまった。何だかあっという間に終わってしまった一日だったが、私としては息子と二人で撮った写真が一枚手元に残ったのが何よりも嬉しい。
 
 いい成人の日だった。
 
コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )