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ペコちゃん

 日曜日は塾が始まる前に喫茶店に行く。アイスティーを飲んでモーニングサービスのゆで卵を食べたら、次にコンビニに行く。塾の冷蔵庫には何本もペットボトルが冷やしてあるが、どうしても日曜の朝はコンビニでウーロン茶を買いたくなるのだ。たいていは少し離れたセブンイレブンに行く。近くにサークルKがあるから何もわざわざそこまで行かなくてもいいのに、なぜだか日曜の朝はセブンイレブンに行かないと気がすまない、馬鹿みたいだが・・。
 セブンイレブンは他のコンビにより通路が広くてゆったりした気持ちになれるのがいい。それと時々珍しい物を売っていたりするから楽しい。この前の日曜も入り口すぐのところで、ペコちゃんの「お菓子くじ」というものが売られていた。


 ミルキーが7粒入ったこの箱の代金500円を払ったら1回くじが引ける。そのくじの中に書かれているグッズが景品としてもらえる、という仕組みになっている。クッション、バンダナ、マグカップ、お菓子セット・・、などなど全部で12種類の景品が用意されているという。私は、先日のドラゴンボールのくじのこともあって、さすがに500円出してまでペコちゃんグッズを欲しいとは思わなかったが、意外なことに妻が興味を示していた。いつもなら、「何でそんなもの買うの?」と言うような妻が「ペコちゃんて可愛いよね」と言って、じっと見ている。「くじ引きしたいの?」と聞くと、「マグカップが欲しいな・・」と答える。「引いてみりゃいいじゃん」と言うと、「やってみようかな」と言いながら500円玉を財布から取り出した。「当たるかな」と言いながら引いたのは、バンダナ・・・。


 40cm四方ほどの大きさの布にポコちゃんの顔が大きく描かれている。これはいい。私がもらってパネルに入れて飾ることにした。だが、願ったものが当たらなかった妻は不満げだ。「もう一回やるかい?」と聞いたら、「もう一回だけね」とすぐにお金を出して2度目のくじを引いた。今度はお菓子セット、また外れだ・・。
 さすがにそれ以上はもったいないと思ったのか、妻は残念そうな顔をしながらも、コンビニを出た。それとは対照的に、バンダナをもらった私は満足していた・・。

 塾が終わって少しばかり買い物に出かけた帰り道、セブンイレブンの近くを通った。「俺が出してやるからくじ引いてみるか?」と聞いてみたら、「どちらでも・・」と曖昧な答えをする。いやなことはいやだとはっきり言う妻がこうした中途半端な答えをする時は、同意したのに等しい。すぐに車を駐車場に止め、私が1000円を払った。妻が力を込めて引いた1回目はクッション!、これには妻も少しばかり喜んだ。


 ペコちゃんの顔が全面に描かれたクッションは愛嬌があっていい。しかし、マグカップではない。「じゃあ、俺が引いてやるよ」と気合を込めて私が引いてみたが、またバンダナ、がっかり・・。思い通りにはなかなか行かないものだ。クッションを抱えた妻は少しは溜飲を下げたようだが、外れを引いた私は面白くなかった。
 そこで、翌日またセブンイレブンに出かけた。今度こそ、引いてやると気合十分の妻は「マ・グ・カ・ッ・プ!!」と小さく声を上げながら、くじを引いた・・。すると結果は、見事!マグカップ!!「やった!!」と小躍りする妻に若い店員さんたちも苦笑するしかない。「ありがとう!」とマグカップの箱を受け取った妻はおおはしゃぎ、私はちょっとばかり恥ずかしかった・・。


 ペコちゃんとポコちゃんが裏表に描かれたこのマグカップ、手に取ると結構ずしりと重い。いいなあ、ちょっと羨ましい。
 
 どうだろう、合計2500円でこれだけのものが手元に残れば十分ではないだろうか。戦利品としては自慢できるような気がするのだが・・。

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