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バンザイシステム(3)

 去年もそうだったが、今年もセンター試験が終わってからこのブログへの訪問者数が急増している。
   日付    閲覧数  訪問者数
 2009.01.22(木) 547 PV  326 IP  
 2009.01.21(水) 702 PV  371 IP
 2009.01.20(火) 509 PV  230 IP
 2009.01.19(月) 464 PV  211 IP
 2009.01.18(日) 362 PV  166 IP

 訪問者の検索ワードを見れば、その理由は一目瞭然、私が昨年・一昨年に書いた「バンザイシステム」の記事を読もうとする受験生諸君がいっせいに増えるからであろう。
 「バンザイシステム」と言うのは、河合塾のHPにアクセスし、センター試験の自己採点結果と志望校を入力すれば、瞬時に合格可能性を判定してくれる、受験生にとっては有難いと言うか恐ろしいと言うか、とにかく便利なシステムである。携帯電話からもアクセスできるから、携帯を使いこなしている現代の受験生にとっては、便利この上ないツールだと言えるだろう。
 河合塾が全国の受験生から集めた膨大な自己採点結果を元に各大学の合格ボーダーライン(合格可能性50%)を設定して、その前後を合格濃厚ライン(80%)、注意ライン(20%)とし、各受験生の得点と比べて4段階で合格可能性を判定している(アイコンで一目で分かるようになっている。大きくバンザイをしているのは80%以上、小さくバンザイをしているのは50%~80%、手を上げていないのは20%~50%、泣き顔になっているのは20%以下・・)ので、果たしてどれだけの信用していいものか分からずか、また二次の出願に役立つような情報を少しでも得たいがために、私のブログのようなところにまで多くの受験生が殺到するのだろう。
 
 私の塾でも毎年このバンザイシステムを利用して生徒にアドバイスをしているので、このシステムの信頼度はかなり高いと実感している。確かに、2次試験がありセンターで失敗しても強気で行って2次で逆転できる可能性はある。しかし、それはかなり低い確率、もしくはいくつもの条件をクリアーした受験生にしか可能ではない、とほぼ断言できるように思う。それはなぜか、わが塾で学んでいる一人の塾生・D君を例に取ってみよう。
 彼は小学校の低学年から塾に通っていて、私が手塩にかけて(と言っては大袈裟だが・・)鍛えてきた秘蔵っ子であるため、900点満点で771点とかなりの点を取ってくれた。地元名古屋大学の農学部への進学を考えているため、バンザイシステムで判定してみたところ、濃厚ラインを上回った点数となり、両手を大きく上げてバンザイをしたアイコンが輝いていた。彼にとってはこれでほぼ合格できる目安が立ったため、私ともどもかなり喜んでいるが、実は彼の密かな第一志望は岐阜大の獣医学科であり、センターの結果がよければ挑戦してみたいという思いを持っていたようだ。だが、判定を見ると小さなバンザイをしているだけで、少しばかり心配だ。こういう場合に大切なのは、センターと二次試験の配点の割合だが、名大は900:1400、岐大は950:400となっていて、試験科目は名大が英・数・理、岐大は数・理となっている。これだけ見ると名大の方が二次のウエイトが高いため、いくらバンザイをしていてもそうは間単に合格できないように思えるが、そんなに簡単なものではない。こうした判定を見て志望校を決めるのが現代の大学受験なので、思わぬ点が取れた生徒は志望校のランクを上げたり、ボーダーライン近くの生徒がランクを下げたり、まるで目に見えぬ力に導かれでもするように、センターの結果をそのまま反映した序列が出来上がって、二次での逆転がなかなか簡単にはいかないようになってしまう。不思議ではあるが、「大学の志望校はコンピュータが決めてくれるよ」と常々私が高校生に話しているように、まさにコンピュータが目に見えぬ手の役割を担って、かなり整然とした分布図のようなのが出来上がってしまうのだ。
 それに二次試験は、私立の中高一貫校で厳しく勉強させられてきた生徒の方がやはり強い。そうした私立高では高校2年までに高校で学ぶべきことを学習し終え、3年生は丸々受験勉強に費やすことができる。その点、いくら優秀な生徒であると言っても、Dくんは公立高校の生徒であり、3年の二学期まで教科書の勉強をしていたものだから、センター対策が精一杯で、2次試験用の勉強は余り進んでいないのが現状だ。そんな彼がボーダーラインぎりぎりのところで、踏ん張りきれるかどうかはかなり心配だ。それに一年間ずっと勉強に励んできた浪人生もいる。私は正直に彼にそうアドバイスしたし、彼自身も不安を感じているようだったので、結局は名大に出願することになりそうだ。
 
 いずれにせよ、センターが終わったばかりで、いくら結果がよかったと言っても、まだ合格したわけではない。気をいっそう引き締めて最後まで全力を尽くして是非とも栄冠を勝ち取ってもらいたいと願っている。


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