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パイナップル

 時々行くスーパーが業態を変え、「毎日低価格」という看板を掲げて、リニューアルオープンした。開店してすぐの頃は今までの倍の数の車が止まっていたため、しばらく行くのを遠慮していたが、もうそろそろ頃合いだろうと思って行ってみた。
 店に入ってすぐに気付いたのは、商品の陳列が大雑把になったことだった。一つの商品が大量に置いてあって、まさしく「大量仕入れで低価格」を実現させた、という雰囲気が漂って来る。妻によれば確かに価格は安いそうだが、自分の欲しい商品が見つかるかどうかは疑問が残る。何度か訪れて、何が安いかをチェックしておけば使い勝手のいい店になるかもしれないが、慣れるまでが大変そうだ・・。
 例えばこの商品・・。


 これはすべてパイナップル缶詰なのだが、いったいいくつあるのだろう。これだけ大量に仕入れれば、低価格にすることも可能だろう。あまりに大量にあるのでついつい見とれていたら、パイナップルが食べたくなった。そう言えば、久しくパイナップルを食べていない。「じゃあ」と一缶買ってみた。


 家に帰って早速食べようと缶切りを探したが、よく見たらそんなものは不要だった。プルトップだ!!パイナップルどころか果物の缶詰を食べるのは久しぶりなので、隔世の感がしたのも無理もないことだった・・。開けてみた。

 

 昔の缶よりも薄く切ってあるような気がしたが、これくらいの方が食べやすくていい。皿に移すのも面倒なので、缶から食べてみた。
 う~~~ん、美味しい・・。やはりパイナップルは、あまたある缶詰の中でも間違いなく王様だ。子供の頃はよく食べた。何故だか家には果物の缶詰がよくあり、みかんや桃の缶詰はおやつ代わりだったように思う。だが、パイナップルの缶詰は別格だった。滅多に家にあることはなかったし、あってもなかなか食べさせてもらえなかった。缶は他の果物の缶より一回りも二回りも大きく堂々として立派だった。しかも輪切りにされた分厚いパイナップルの実は、頬っぺたが落ちるほどおいしかった・・。子供の私にとっては文字通り垂涎の、憧れの的であったのだ。
 そんな大事な思い出でもあるパイナップルの缶がこれだけ無造作に売られていると、ちょっと寂しくなるが、パイナップルがそれだけ身近になったのだと考えれば嬉しくなる。これからはパイナプルが食べたくなったらこのスーパーに行けばいいのだから・・。

 で、昨日たまたまそのスーパーに行ったものだから、パイナップルの缶を買おうとしたのだが、どういうわけかみつ豆の缶を買ってしまった。「みつ豆にあんこを乗せて食べたら美味しいぞ」という誘惑には勝てなかったのだ・・。


 

 もう最高!!!


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