じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

映画「シマロン」

2018-10-05 23:39:43 | Weblog
☆ 映画「シマロン」(1931年)を観た。

☆ 物語は「グレート・ラン」で始まる。新たに開拓されたオクラホマの土地、自分のと土地を確保するために、壮大なレースが行われる。(エキストラ数千人を動員したすごいレースだ)

☆ ヤンシー・クラバットもそんなフロンティアの一人だった。銃の腕は相当なもの、過去に数人を撃ち殺した経験もある。正義を求める彼は新天地で新聞の発行を計画していた。

☆ ヤンシーは、妻の家族の反対を押し切り、妻そして長男と共に新しい土地に移住する。その土地の名前が「シマロン」で、それにちなんで息子を「シム(シマロン)」と名付けた。

☆ 昼夜の強行軍で新天地にたどり着いたヤンシーとその家族。しかしその街はならず者たちに支配されていた。「悪」を許せないヤンシーは彼らと戦い打ち負かす。(このあたりは西部劇の色合いだ)

☆ 住民の信望を集めるヤンシーだが、根っからの放浪癖はどうにもならな。次の土地を求めて旅立つ。家族を残して。(その後、1度街に帰り、法廷で娼婦の弁護役を買って出る。このあたりはその後の法廷映画の原型だ)

☆ 時は目まぐるしく過ぎ去っていく。40年が経過した。ヤンシーが創刊した新聞は40周年の記念号を出す。草原の粗末な街並みも今ではビル街だ。妻のセーブラはヤンシーの仕事を引き継ぎ新聞を発行し続け、遂に州の議員となる。

☆ 彼女が視察に訪れた油田で、彼女は夫ヤンシーと意外な再会を果たす。

☆ 40年の歳月を街並みの移り変わりと、役者のメイクでとても上手に表現していた。およそ80年前の映画とは思えない。 
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夏目漱石「倫敦塔」

2018-10-05 20:58:39 | Weblog
☆ 夏目漱石の「倫敦塔・幻影の盾」(新潮文庫)から「倫敦塔」を読んだ。

☆ 漱石によるロンドン塔の案内、そこに幻想的なエピソードが織り込まれている。

☆ 政変に揺れる中世のイギリス、かつてロンドン塔には高貴な囚人が幽閉され、処刑された。幻想的なエピソードはドラロッシ(ドラローシュ)の絵画、「ロンドン塔の若き王と王子」「レディー・ジェーン・グレイの処刑」からインスパイアされたもののようだ。

☆ 今はインターネットでロンドン塔の案内やドラロッシの絵画を見ることができる。漱石の美文を読んでからそうした案内を見るのも一興か。囚人を迎い入れた水路やビーフ・イーターの衣装など、漱石の筆と比べるのが楽しい。

☆ 明治時代のエリートの筆はさすがに難しいところもあるが、対句的な表現など後の漱石作品の片鱗がうかがえる。
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