じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

大石直紀「おばあちゃんといっしょ」

2020-07-20 16:05:09 | Weblog
★ 今日、京都は今年初の猛暑日。京都新聞によると、この10年間、県庁所在地の中で最も猛暑日が多いのは京都市だそうだ。

★ 大石直紀さんの「桜疎水」(光文社)から「おばあちゃんといっしょ」を読んだ。この京都市が舞台だ。

★ おばあちゃんは詐欺師だという。それも鴨川(賀茂川?)にかかる橋の上で、通りがかった人から小銭を拝借する寸借詐欺。私も学生時代、駅の券売機の前で小銭を無心する「100円ばあさん」に遭遇したことがある。その類だ。

★ 主人公のおばあさんはバス代として170円をせびっているようだが、これでそこそこの稼ぎになるという。物語は最初、このおばあさんの孫の語りで始まる。両親に見放され養護施設に送られた彼女をおばあさんが引き取ってくれたという。

★ 祖母と孫はそれなりの日常を送っていたが、ある日、おばあさんは警察につかまってしまう。そして孫は再び養護施設へ。

★ そこで話は一転し、食品サプリメント詐欺、そして目下は宗教詐欺で荒稼ぎをしている女性詐欺師の話になる。北野武監督の「教祖誕生」のような感じだ。

★ 短い作品だが、このあたりで既にトリックが仕込まれている。最後まで読むと「そうだったのか」と妙に腑に落ちてしまう。
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