★ 小説は作家の創作によるものであるが、作品を媒介として作者と読者の波長があった時、読者の脳裏に映像が浮かび上がり、読者ならではの作品として再生される。
★ 藤原伊織さんの「雪が降る」(講談社)から「台風」を読んだ。
★ 回想を挟んだ絶妙の構成。まるでドラマを観ているかのように映像がイメージできるのは、作家の筆のうまさであろうか。
★ 40歳のサラリーマン。かつて1度だけ人を殺した人間に会ったことがあるという。そして今日、2人目を見る羽目に。
★ 第1部は、警察の事情聴取を終え、終電に揺れる主人公の心情を描く。今日の出来事、かつての部下が起こした殺人未遂事件。何が彼を暴発させたのか。それはまるでスタンリー・キューブリック監督の「フルメタル・ジャケット」のようだ。
★ 第2部は、主人公の少年時代の話。玉突き屋を営んでいた生家。彼は中学校に馴染めず、店の手伝いをしていた。そこで出会った人々。ある時、23歳という男がふと立ち寄った。彼は主人公の悩みを聞いてくれたのだが。
★ 第3部は、再び現代に戻る。台風の豪雨の中、彼は今こそ「強い人間になろう」と決意する。たとえずぶ濡れになっても、彼には家で待つ人がいる。
★ 定番の展開ではあるが、十分に楽しめた。
★ 藤原伊織さんの「雪が降る」(講談社)から「台風」を読んだ。
★ 回想を挟んだ絶妙の構成。まるでドラマを観ているかのように映像がイメージできるのは、作家の筆のうまさであろうか。
★ 40歳のサラリーマン。かつて1度だけ人を殺した人間に会ったことがあるという。そして今日、2人目を見る羽目に。
★ 第1部は、警察の事情聴取を終え、終電に揺れる主人公の心情を描く。今日の出来事、かつての部下が起こした殺人未遂事件。何が彼を暴発させたのか。それはまるでスタンリー・キューブリック監督の「フルメタル・ジャケット」のようだ。
★ 第2部は、主人公の少年時代の話。玉突き屋を営んでいた生家。彼は中学校に馴染めず、店の手伝いをしていた。そこで出会った人々。ある時、23歳という男がふと立ち寄った。彼は主人公の悩みを聞いてくれたのだが。
★ 第3部は、再び現代に戻る。台風の豪雨の中、彼は今こそ「強い人間になろう」と決意する。たとえずぶ濡れになっても、彼には家で待つ人がいる。
★ 定番の展開ではあるが、十分に楽しめた。