じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

北山修「戦争を知らない子供たち」から

2022-03-07 13:17:39 | Weblog
★ こんな時だから、キューブリック監督の「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのをやめて水爆を愛するようになったのか」(1964年)を再び観た。被害妄想の司令官がソ連への核攻撃を命令し、大統領でさえそれを阻止することができず、結局、地球が破滅に至ったであろう、という物語。

★ キューバ危機が1962年だから、コメディタッチとはいいながら、当時の人々の危機感が伝わってくる。エンディングの軽やかな音楽を背景に、「これでもか」というほど繰り返されるキノコ雲の映像は衝撃的だ。

★ こんな時だから、北山修さんの「戦争を知らない子供たち」(角川文庫)を本棚から取り出した。かつての子どもたちは、父母となり、もはや老境の域に達している。戦後80年近く、少なくとも日本が戦争に巻き込まれなかったのは奇跡だったのかも知れない。

★ 「平和のつぶやき」の章は心を衝く。「徴兵制もなく、戦争に直面した経験のない私たちは<平和>と叫ぶのに何か抵抗を感じる」「戦後生まれの私達はどうしようもない世代かも知れない。しかし、唯一のとりえは戦争を知らないということだ」「『平和がほしい』とつぶやくことこそ重要なのではないだろうか。その感性こそ絶対に失ってはならないものだ」「『仕方がない』と言うあきらめや無関心が一番恐い」「つぶやきが集まれば叫びとなる」(31頁~32頁)

★ 「戦争はいやだ!! 人を殺したくない!! 平和がほしい!! 叫ぶ必要はない。小さくそしてはっきりと言ってほしい」(33頁)で締めくくられている。

★ こんな時だからこそ、心に響く。「戦争を知らない子供たち」、歌詞を見なくても歌える数少ない歌の1つだ。
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