じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

門井慶喜「パラドックス実践」

2022-03-04 19:52:38 | Weblog
★ 学年末テストが終わった。高校入試まであと3日。折込広告を販売店に搬入した。毎年通り、平凡な日常の繰り返し。しかし、こんな生活も第三次世界大戦が勃発すると一瞬でなくなってしまうんだね。

★ 悲惨な世界情勢を横目で見ながら、今日は門井慶喜さんの「パラドックス実践」(日本推理作家協会編「ミステリー傑作選 ブラフ」講談社文庫所収)を読んだ。

★ 新しい高校に赴任した能瀬教諭。雄弁学園というその学校は、名前の通り論理的思考、弁舌をみっちり鍛える学校だった。案外要領だけで世渡りしてきた能瀬教諭。初日から「テレポートの証明」やら「山を海とし、海を山とすることの証明」やら「サンタクロースの存在の証明」やらを生徒から要求される。場を和ませようと放ったジョークもすべりっぱなし。

★ 能瀬教諭はこの手強い生徒たちの問いにどう答えたのか、というストーリー。

★ まぁ私のように世の中の垢にまみれてしまうと、能瀬教諭の論理では納得できないが、そこは純朴な高校生、何となく明るい学園モノで物語が終わる。

★ よくよく考えると、この世の中、厳密には定義できなかったり、論理的に証明できないことが多い。学問はそれを究める営みだが、一方で芸術があるのが面白い。山田五郎さんの「オトナの教養講座」で紹介された、アンリ・ルソーの作品など、どうも変だけれど、独特の個性なんだよね。
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