★ 高校受験までと9日。年末から通っていた歯医者が今日で一段落。痛みなくものが噛めるありがたさを痛感する。
★ さて今日は、渡辺淳一さんの「光と影」(文春文庫)から「宣告」を読んだ。「宣告」といえば先ごろお亡くなりになった加賀乙彦さんの作品も読んでみたいが、今回は渡辺作品。
★ 末期がんに冒された著名な画家。主治医は「宣告」を迷った挙句、残された時間を作品に費やしてほしいと「宣告」に踏み切る。
★ 覚悟はしていたとはいえ、余名宣告は死刑の執行を待つようなもの。画家も困惑する。衰弱も進んでいく。主治医は宣告したことを後悔し始める。
★ そんなあるとき画家は外泊を申し出る。故郷を描きたいという。それから数か月。衰える身体とは裏腹に目は輝きを増し、画家は遂に作品を完成させ、死を迎える。
★ 画家は確かに作品を残したが、死期を早めたのは確かだ。「宣告」の是非を巡って、医師はなおも葛藤を続ける。
★ 不確実な時代の中で、誰しも死を迎えるという点だけは確実だ。そう考えると、死期の到来を必要以上に恐れることはないのかも知れないが、やはりその日が来ればショックを受けるだろうなぁ。