じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

筑紫・久米時代

2008-11-13 00:18:13 | Weblog
★ TBSの「テレビってヤツは」を見た。久米宏さんが古巣のテレビ局で、久々にテレビキャスターをやっている番組である。

★ 今日この番組を見たのは、先日亡くなられた筑紫さんについて久米さんがどういうコメントを発するのかと言う野次馬的な関心からだ。

★ 「ニュースステーション」「NEWS23」という看板を背負った2人である。80年代後半から世紀をまたいで2000年代前半まで、それぞれ18年半にわたりニュースを伝え続け、まさにニュースのあり方を変えた2人である。

★ 2人にしかわからない何かがあるのではないかと思った。

★ 「ニュースステーション」が終わった日、筑紫さんが「多事争論」の中でそれを論評するシーンが流されたが、感慨一入だった。筑紫さんの目は優しかった。

★ そうしたVTRを受けて、久米さんのコメント。緊張からか、感動のあまりか、久米さんの表情が珍しく硬直し、小刻みに震えていた。これっと言ったコメントはなかったが、久米さんの表情に、テレビという世界で戦ってきた2人にしかわからない何かがあるのだなと感じた。それは、それでいいと思った。

★ テレビってヤツは人間の表情を伝えるから面白い。

★ 確かに筑紫・久米時代は終わった。マスコミに対する風当たりはますます厳しくなってきたようだ。日本の最大企業の社長を務め、経団連の会長を務めた人物が「スポンサーを降りるぞ」と脅迫めいたことを言う時代である。

★ そういわれると売り言葉に買い言葉で、「じゃあ、オタクの車は買わないぞ」とマスコミ人でもないのに言いたくなるのだが、それはともかく、筑紫さんの言葉に従えば、マスコミが権力から圧力を受けるのは、逆説的に言えば、それはマスコミがきちっと仕事をしているからなのだろう。

★ 久米さんの試行錯誤は、まだまだ続きそうだ。これからは、それを楽しみにしよう。

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2兆円のばらまきに怒り、「米百俵」を読む。

2008-11-12 12:58:39 | 
米百俵 (新潮文庫)
山本 有三
新潮社

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★ 定額給付金をめぐる政府・与党の無能ぶりに呆れて、山本有三「米百俵」を読んだ。

★ 明治初期、官軍に逆らったために窮乏を極める長岡藩の話。日々の食にも事欠く窮乏を見かねて長岡藩に親しい三根山藩から米百俵が贈られる。藩士達はこれに喜んだが、時の大参事、小林虎三郎は米を藩士達に分け与えないと言う。不満に満ちた藩士達が小林に詰め寄るといった話である。

★ 小林は命を懸けて藩士たちに説く。この米を、一日か二日で食いつぶしてあとに何が残るのか。自分は、この百俵の米をもとにして、学校をたてたい。これで人物を養成したい。「今でこそただの百俵だが、後年には一万俵になるか、百万俵になるか、はかりしれないものがある。いや、米だわらなどでは、見つもれない尊いものになるのだ」(新潮文庫、93ページ)と。

★ 先覚者とは小林のような人物を言うのであろう。そして、彼はまた政治家でもあった。彼の説得を受け入れた藩士達も偉い。まだ道理の通る時代だったのであろう。

★ 2兆円をばらまく愚行。小林のような人物はもはや存在しないのか。
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プロとアマチュア

2008-11-11 11:52:48 | Weblog
★ 「プロフェッショナルの流儀」という番組があるが、プロとアマチュアの違いについて考えた。

★ その仕事で金を稼げるか、飯が食えるかと言うのも大きな違いだ。

★ アマチュアはたとえ結果が残せなくてもその努力の過程に意義がある。自己満足できればいいし、人も努力をほめてくれる。

★ プロはいくら努力しても結果が残せなければ意味がない。結果で評価されるのがプロだろう。結果が残せない時、人がその努力をほめてくれるとすれば、それは慰めに過ぎず、プロとしては屈辱を感じなければならない、と思った。
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孟子

2008-11-10 23:02:41 | Weblog
★ NHKの「知るを楽しむ」を見た。今日は宮城谷昌光氏が「諸子百家」の話をされていた。宮城谷氏の話を聞いていると中国思想は面白いなぁと思う。

★ 今日の話の中では「孟子」のエピソードが良かった。孟子は儒家の人だが、「井戸は水が出るまで掘れ」という戒め、努力の方向性の話はタメになった。

★ そういえば、先日大阪で新しく教育委員になった陰山氏が校長、教頭相手に「一生懸命努力をして結果が出ないのは最悪だ」と話していたが、通じるものがあるように思った。

★ 努力は結果が出てこそ報われる、何のために努力しているのかをしっかり認識すること、これは何かをしようとするときに肝に銘じるべきことだと思った。

★ 大阪の教育改革には少々感じるところはあるのだが、それは別の機会に。
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筑紫さん逝く

2008-11-07 23:21:51 | Weblog
★ ジャーナリストの筑紫哲也さんが亡くなられた。

★ 筑紫さんを始めてテレビで見たのは「こちらデスクです」という番組だっただろうか。最初は黒柳さんが司会の番組だったと思う。そのときの筑紫さんはアメリカ特派員だったかな。ラフな着こなしで、絵に描いたような「新聞記者」という感じだった。

★ 朝日ジャーナルの編集長の時代もあったなぁ。全共闘の時代が終わって、朝日ジャーナルはかなり末期だったと思う。筑紫氏が編集長になって、評価は分かれていたが、朝日ジャーナルが変わった。

★ 今、朝日ジャーナルのような雑誌を見かけないのは寂しい限りだ。(「週刊金曜日」は健在かな)

★ NEWS23は久米さんの「ニュースステーション」と人気を競い合ったなぁ。「報道のTBS」の灯火のような存在だった。

★ 権力や商業主義が幅を利かせ、ジャーナリズムにとって難しい時代になってきた。しかし、こんなときこそ、ジャーナリズムは反骨精神で権力と力強く対峙して欲しいものだ。
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オバマ大統領

2008-11-06 05:51:26 | Weblog
★ オバマ氏の勝利宣言のセレモニーは感動的だった。その場面を見ていると、ふと、司馬遼太郎「竜馬がゆく」の文章が浮かんできた。

★ 「天には意思がある。としか、この若者の場合、おもえない。天が、この国の歴史の混乱を収拾するためにこの若者を地上にくだし、その使命がおわったとき惜しげもなく天へ召しかかえた」(「竜馬がゆく(八)」文春文庫、374ページ)

★ 「日本史が坂本竜馬を持ったことは、それ自体が奇蹟であった」と司馬は言うが、歴史と言うモノは時々粋な計らいをするものだと思う。

★ 時代が人を生み、人は時代を変革する。社会変動と言う大河の前で、ひとりの人間は実に小さなものだが、ひとりの人間の変革への意思が大河の流れをも変えるのだから、歴史は面白い。

★ アメリカ国民がオバマ氏を指導者に選んだことにアメリカの底力を感じた。1929年の世界恐慌の時代、共和党フーバー大統領のあとに民主党のルーズベルトが大統領に選ばれたことを今日となぞらえる場合が多いが、ケネディ、レーガンそしてオバマと、アメリカと言う国はその時々の課題に応じた指導者をうまく選ぶ。

★ 日本は再び破滅への道を歩んではいけない。タカ派を中心に不穏な空気を感じるが、同じ過ちは決して繰り返してはいけない。幕末の志士や日本の近代化そして繰り返される戦乱の中で非業の死を遂げた人々の思いを無駄にしてはいけない。

★ 政策の功罪はあるが小泉氏にはオバマ氏と同じように人の心を動かすカリスマ性があった。その熱狂の余韻とも後遺症ともいえる状況が今日の政治の混乱を招いているが、日本も新たな志士の時代を迎えたいものだ。 
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「日本近代史学事始め」

2008-11-06 05:05:05 | 
日本近代史学事始め―一歴史家の回想 (岩波新書)
大久保 利謙
岩波書店

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★ 本書は、実証研究により日本近代史学に画期的な足跡を残された大久保利謙氏の生い立ちと研究の軌跡をたどったものであり、近代日本史研究の入門書とも言える。

★ 大久保利謙氏は明治維新の功労者、大久保利通の孫である。本書の前半で紹介されている幼少期、学齢期の記述は福沢諭吉の「福翁自伝」のような面白さがあった。

★ 歴史研究を始められてからは、まず散逸したり、廃棄されたりして消えていく貴重な資料を丹念に収集され、後世の研究の礎を築かれた。ご自身もそうした資料に基づき多くの著書を執筆された。

★ 明治、大正、昭和そして平成と歩まれたその生涯は、それ自体が日本近代史であるかのようだ。

★ 私が大久保氏を知ったのは、まず昭和9年に書かれた「明治二年京都における小学校の設立について」という論文を読んだことに始まる。京都では日本で最初に小学校が設立されたと言われる。この論文では小学校設立の背景、その実態について記述されている。

★ 私は当時、昭和初期における京都の小学校の経営について調べていて、その前史として小学校の設立、発展の経緯を学習していた。

★ 偶然と言うべきか、私が奈良教育大学の大学院に在学中、日本教育史研究室に上沼八郎教授がいらっしゃった。上沼先生の授業を受けさせていただいたり、お話をさせていただく中で、大久保氏の話が出てきたことを記憶している。

★ 今回改めて大久保利謙歴史著作集第4巻「明治維新と教育」をひも解いた。巻末に上沼先生の解説が記されていた。大久保氏の著述に対する的確な解説、大久保氏の偉大さとともに上沼先生への尊敬の念を厚くした。

★ 多くの先達の血のにじむようなご尽力によって、私達が事実を知ることができたり、研究を深めることができるのを幸せに思う。「人生は短い。ぼやぼやせずにもっと勉強せよ」と叱咤されてるように思った。

★ 上沼先生の金言。「足下の石」の教訓を今一度噛みしめたいと思った。
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チェンジ!

2008-11-05 11:34:26 | Weblog
★ アメリカ大統領選は予想通りオバマ氏の勝利で終わりそうだ。8年ぶりの民主党政権。民主党といえば「対話路線」「保護主義」というイメージがある。日本としては新たな日米関係を築く必要がありそうだ。

★ イラク戦争といい、金融危機といい、軍産共同体や新保守主義者に牛耳られたというブッシュ共和党政権に嫌気がさして、政権交代で人心を一新できるところがアメリカ民主主義の強さだろう。

★ 初の黒人大統領。ドラマや映画では黒人大統領も珍しくなくなったが、現実の世界では画期的なことだ。キング牧師の「I have a dream」の演説が一歩実現したのだろうか。ケネディ大統領の二の舞にならないように、陰謀には気をつけて欲しいものだ。

★ ところで、日本も「チェンジ」の時代が近づきつつある。麻生政権は迷走し、袋小路に入ってしまったか。いつ解散しても与党は負けただろうが、戦って負けるのと、戦わずして負けるのとでは、その後に大きな違いがあるのではないか。

★ 早くも、ポスト麻生が囁かれ始めたようだ。
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