じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

拈華微笑から

2017-07-17 11:12:28 | Weblog
☆ 美しい響きのある熟語だが、仏教の悟りは、文字で伝わるものではないということを表すそうだ。

☆ ある時、お釈迦さんが手に持っていた花をひねった。それが何を意味するのか周りにいた人々にはわからなかったが、迦葉というお弟子さんだけが、意味するところを悟って微笑んだというエピソード。

☆ このエピソード自体は後世につくられたらしいが、仏教の学び方がよく示されている。

☆ 難解難入と言われる悟りの境地。仏教では文献研究など形のあるものから学ぶ「教相」と自身の内側を観察することによって直接アプローチする「観心」という方法があるという。

☆ いくら文献研究をしても、最後はインスぺレーションの一撃が必要と言うことだろうか。そのあたりが宗教の宗教たるゆえんであろうが、疑い続けて真相に迫る哲学と、信じることによって真相に入る宗教との違いであろう。

☆ 哲学は思索すればするほど深淵に入り込み、苦悩は増えそうだ。哲学の原語はフィロソフィ(知を愛す)だから、愛することだけで満足すればよいのかも知れないが、より深く考えてしまうのが人間の煩悩。

☆ 救いを求めたければ、法(あるいは仏)に「南無(帰依)」するのが良さそうだが、信じようと思っても信じきれないのが凡夫の悲しさか。

☆ 以心伝心の仏教。「はじめ言葉ありき」のキリスト教(あるいは西洋思想)との大きな違いなのだろうか。また煩悩が騒ぐ。
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「太平記」を見る

2017-07-17 01:32:32 | Weblog
☆ 26年ぶりに大河ドラマ「太平記」(真田広之主演)を見た。今日は第1回目だけ。

☆ 「太平記」と言えば、鎌倉時代末期。後醍醐天皇の命を受けた足利尊氏、新田義貞、楠木正成らが鎌倉幕府を倒し、建武の新政を実現。そのあと新政に不満を持つ武士が、後醍醐天皇を吉野に追いやり、北朝をたてるという話。

☆ 第1回目は、執権北条氏の権勢に面従腹背しなければならない足利一族の話。足利尊氏(この時代は高氏)の出生から、元服、そして後に正室となる赤橋登子(沢口靖子)との出会いまで。

☆ このあと高氏(尊氏)は京都に出仕し、佐々木道誉(陣内孝則)と仲良くなるんだったかな。

☆ 高氏が幕府側であったとき、芸人一座に紛れ敗走する楠木正成(武田鉄矢)を伊賀の関所で審問する場面が印象に残っている。「勧進帳」のような場面だった。(第15話)

☆ やがて倒幕に成功。宮中で尊氏、正成が祝賀する場面を思い出す。何事も目標を達した瞬間が最高潮。

☆ 権力というものは恐ろしい。人を変え、相互不信を煽る。公家が重んじられる新しい政治に不満を持つ尊氏たちは、朝廷と対立する。そして後醍醐天皇側にたつ新田や楠木と戦い、彼らを破る。

☆ 尊氏は征夷大将軍に任命され幕府を開くが、足利家の執事・高師直(柄本明)と対立し討ち取る。また幕府内の権力争いをやめるため最愛の弟・直義(高島政伸)を毒殺する。

☆ 尊氏の晩年はだんだん孤独になっていく。そんな話だったように思う。

☆ 時代の変革期に生きる人々の姿が、うまく描かれていた。原作は、吉川英治「私本太平記」。
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「麒麟の翼」を観た

2017-07-16 23:36:01 | Weblog
☆ 日本橋・麒麟の翼の前で一人の男が倒れた。男の胸にはナイフが刺さっていた。なぜ男は刺されたのか、そして犯人は誰か。加賀恭一郎警部補が活躍する映画だった。

☆ 見ごたえがあった。原作(東野圭吾作)がしっかりしていると、いい作品ができる。そして何といっても加賀警部補役の阿部寛さんの存在感だ。

☆ 今から5年前に公開された映画ということで、今、バリバリに活躍している山﨑賢人、菅田将暉といった俳優陣の若い姿も印象的だった。菅田くんのマッシュルームカットは、シリアスな映画なのに、なんか笑った。

☆ 中井貴一さん、鶴見辰吾さんは渋い演技。松重豊さんはいつもながらにいい味出てたし、刑事課長役の北見敏之さんも印象に残った。新垣結衣さんはメイク薄目の自然体。田中麗奈さんは美しかった。

☆ ちょっとした間違いが、悲劇の連鎖を呼ぶ。それが悲しくもあり、作品の面白さでもあった。
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「もし文豪たちが・・・」読了

2017-07-16 17:02:10 | Weblog
☆ 神田桂一、菊池良著「もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら」を読み終えた。

☆ カップ焼きそばの作り方を、文豪(文豪の定義は不明確だけれど)たちが脚色したらどうなるか、といった実験的な試みである。

☆ くだらないと言えばそれまでだが、発想が面白い。私はその対価に980円+税を支払った。

☆ 作品によって出来不出来の差があるように思ったが、それぞれ文体の特徴をよく捉えており、いくつかの作品は、あらためてオリジナル作品を紐解いてみた。

☆ 私が一番笑ったのは池上彰さんだ。これは傑作だと思う。池上さんはパロディになってもとてもわかりやすい。

☆ 小林よしのりさんは、最初の「わしは」で伝わってきた。

☆ 夏目漱石や芥川龍之介は、文体と言うよりか、出だしが「坊ちゃん」と「羅生門」のコピーって感じだった。

☆ 俳句や短歌はイマイチだった。こういう企画は、短い文の方が難しそうだ。


☆ パロディの面白さを味わうには、オリジナルを知っておく必要がある。結構知らないものがあったのは残念だった。外国人作家は原作者と言うよりか翻訳家のクセだと思った。


☆ 最後に実際の「作り方」が掲載されていた。メーカー、ブランドによってこんなに違いがあるんだね。「JANJAN ソース焼きそば」(エースコック)のシンプルな説明が気に入った。他のブランドの中には、国語のテストのように、難解なものがいくつかあった。

☆ 次回は、「もし哲学者たちがカップ焼きそばの作り方を思索したら」にチャレンジしてほしいと思った。期待しています。 
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維摩爺さんの話

2017-07-15 19:13:35 | Weblog
☆ 100分de名著「維摩経」、面白かった。改めてテキスト(NHKテキスト 釈徹宗「維摩経」)で読むとさらに面白かった。

☆ 維摩と言う爺さんが病気になったので、お釈迦さんは弟子を見舞いにやることにした。

☆ ところが、智慧第一と言われる舎利弗はじめ十大弟子はことごとく断る。みんなこの爺さんは苦手だという。今までに、それぞれの痛いところ、弱いところ(実は本人たちが得意としているところ)を突かれて、言いくるめられてしまったというのだ。

☆ お釈迦さんは仕方なく菩薩さんたちに頼むが、彼らも嫌がる。ことごとく断られるお釈迦さん。気の毒になって、遂に智慧の象徴である文殊菩薩が行くことになる。

☆ 維摩爺さんと文殊菩薩。稀代の論客2人、どんな対話になるのかと興味津々のギャラリーは、文殊菩薩の後に続いて爺さんの家に向かう。

☆ そこで繰り広げられる仏法対話。碩学同士の息詰まる攻防。そこに椅子のエピソードやら、天女のエピソードなども織り交ぜられながら、読者は次第に大乗仏教の本質(空の思想や縁起の思想)に導かれていく。


☆ 「入不二法門品」では、維摩爺さんの発問に、菩薩さんたちが「生と滅」「善と不善」「光と闇」など対立する例を挙げ、そうした対立のない世界こそが不二の法門、つまり悟りの世界だと語っていく。まるで教室の風景のようだ。

☆ 最後は文殊菩薩が「すべての存在や現象において。言葉も思考も認識も問いも答えも、すべてから離れること」(86頁)と語り、「維摩さんは、どう考えますか」と尋ねる。

☆ そのあとがすごい。 ・・・ 維摩爺さんは何も語らないのだ。「維摩の一黙、雷(らい)の如し」「維摩一黙」と言うらしい。それを見た文殊菩薩の反応もすごい。「すばらしい!」と感嘆するのだ。

☆ 張り詰めた沈黙と感動の叫び。まさに「アハ体験」だ。


☆ そのあと、維摩爺さんの本性が明かされ、グランドフィナーレへ。

☆ 仏教に現代物理学の最先端、「マルチバース」(この宇宙は1つではない)といった発想があるのには驚かされる。悟りの道を求めるのに出家者、在家者の区別はない。むしろ俗世の中にこそ悟りの縁がある。「煩悩即菩提」の考え方も共鳴できる。


☆ 釈徹宗さんの解説はとてもわかりやすくてありがたい。私のような仏教に疎い者でも理解できるように説かれている。自分自身を振り返り、また周りを観察するよいきっかけになった。 
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「新聞」の危機

2017-07-15 16:35:31 | Weblog
☆ いつも折り込み広告を入れてもらっている販売店の店長が、直々に新聞の拡張に来られた。「部数が減っているので、何とか1年間・・・」とのこと。

☆ 日本新聞協会のホームページで、新聞の発行部数の統計を見た。

☆ 2000年に約4740万部だった一般紙は、2016年には約3980万部と16%減っている。特に2013年以降は、毎年100万部ペースで減っている。

☆ 特に、夕刊の減少が顕著で、2000年が約182万だったのが、2016年には約97万部と半減している。夕刊がなくなるのは時間の問題というところだろうか。

☆ いくつかのサイトが、日本ABC協会のレポートを引用しているけれど、かつて公称1000万部を誇った大新聞も今や読売900万部弱、朝日640万、毎日300万となっている。

☆ 売れ残りを考えると、実売はさらに減るかも。


☆ 1998年、4億5700万枚生産されたCDは、2016年には、1億5900万枚と20年足らずで3分の1程度まで減っている。ダウンロードやストリーミングといった新しいスタイルが、大きく影響している。

☆ 新聞も紙媒体から、新しい形態への移行期に入ったのだろう。長年定着した宅配システムも変わらざるをえないようだ。物流や販売店システム、広告のあり方など、新たなビジネスモデルが必要になってきたのだろう。
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「もしも文豪たちが・・・」

2017-07-15 15:01:24 | Weblog
もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら
クリエーター情報なし
宝島社


☆ 買ってしまいました。
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「遺留捜査」新シリーズ

2017-07-15 13:22:39 | Weblog
☆ 「遺留捜査」の新シリーズが始まった。

☆ 第1シリーズは警視庁捜査一課、第2、第3シリーズは月島中央署、そして今シリーズは京都府警と所属を変えながらも、糸村刑事(上川隆也)のマイペースは変わらない。このドラマの面白さは、糸村刑事の個性と謎解きに出てくる遺留品だ。

☆ 今シリーズ第1回目は2時間枠。ストーリーはイマイチだったと私は思うが、糸村刑事が見れるだけでいい。それにこの作品は気合の入った音楽がいい。舞台が京都というのも個人的には親近感をもった。近鉄の向島駅が出てくるドラマなどまずない。

 
☆ 第1シリーズでは「遺留品係」とバカにする曽根係長(佐野史郎)との対立や課長(大杉漣)をめぐる謎が面白かった。

☆ 第2、第3シリーズでは、刑事課長(斉藤由貴)とのからみや、所轄ならではのゆとり感がよかった。署長に三宅裕司さんを配し、緊迫感の中にもコミカルな場面もあった。

☆ 今シリーズはどんな展開になるのやら。


☆ ところで、最近は刑事ものが少なくなったように思う。人気があるのは「相棒」ぐらいだろうか。

☆ 昔は、「太陽にほえろ」や「特捜最前線」が面白かったなぁ。リメイクすればいいのに。

☆ 人情味のあるものでは、「はぐれ刑事」が良かった。藤田まことさんの魅力だ。土曜ワイド劇場の「京都殺人案内」とちょっと混同してしまうけれど。「はぐれ刑事」が、安浦刑事で、「京都殺人案内」は音川刑事。

☆ 「古畑任三郎」は何度見ても楽しめる。


☆ 2時間ドラマが減る傾向にあるから、ますます刑事ものは減るのかな。テレビの低予算化で刑事ドラマは厳しいのかな。 
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パリ祭に思う

2017-07-14 17:41:25 | Weblog
☆ 今日はパリ祭。1789年7月14日、フランスの民衆がバスティーユ牢獄を襲撃、フランス革命の始まりとなった。

☆ 王侯、貴族を中心とする絶対主義が崩壊し、ブルジョアジーによる新しい社会が築かれることとなる。


☆ 生産力が増大し、それに伴って新しい生産関係が築かれる。そうした下部構造の上に政治などと言った上部構造が構築される。経済活動の変革の波は、人為の努力では抗しきれない。残酷だが面白いところだ。

☆ これを中国の人は天命と呼んだのかも知れない。天命が革まって革命だ。


☆ バスティーユ襲撃の様子は、宝塚歌劇「ベルサイユのばら」を思い出す。全編を見たわけではないけれど、「バスティーユが燃えている~」というセリフが印象に残っている。


☆ パリと言えば、先日「ミッド・ナイト・イン・パリ」という映画を見た。作家を目指すアメリカの若者が、どうしたことかタイムスリップして1920年代のパリ、狂騒の時代へ行くというもの。そこで彼は、ヘミングウェイやピカソ、ダリなどと時を過ごす。時間のパラドックスなどはおかまいなし。

☆ 主人公は現代と過去を何度も行き来するがそれが実に自然で、脚本の妙であろう。20年代の街並みや調度品もよくできていた。監督はウッディ・アレン。思わず引き込まれる映画だった。 

☆ 今夜はパリを思い浮かべながらワインでも。行ったことはないけれど・・・。
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内閣支持率の低下から

2017-07-14 15:46:03 | Weblog
☆ 時事通信の世論調査によると、内閣支持率がついに30%を切ったという。

☆ 支持率が30%を切ると危険水域、20%を切ると退陣水域であるらしい。


☆ 2000年以降の内閣についてみると、森内閣は発足時40%程度だったか、退陣時には1ケタ台。今、大臣名簿を見ると総理大臣経験者、自民党総裁経験者、派閥の領袖などそうそうたるメンバーが並んでいる。まさに古い自民党オールスターズといった感じだ。

☆ その自民党を「ぶっ潰す」と言って登場した小泉内閣。今までの首相のイメージを一変する変人ぶりが受けて発足時80%程度、退陣時も40%と人気のある内閣だった。とにかくマスメディアの使い方がうまかった。脚本家、演出家、そして主演俳優って感じだった。

☆ 安倍1次内閣は、発足時60%、退陣時30%。就任するには若すぎたのかも知れない。期待を集めた割には閣僚の不祥事が相次いで、最後は病気辞任という感じだった。

☆ 福田内閣は、発足時こそ60%近くあったが、その後低迷、20%で退陣となった。福田氏自身、あまり総理になりたくなかったんじゃないかな。安倍氏の想定外の退陣を受けてのワンポイントリリーフって感じかな。小沢民主党との大連立が成功していればどうなったかわからないが、歴史に「たられば」はないからね。

☆ 清和会が4代続いた後の麻生内閣。発足時でも50%、退陣時は15%だった。何をやった内閣か印象に残っていないが、サブプライムローンに始まる世界金融危機に直面したのは不運だったかな。派閥が弱いのも残念なところだった。

☆ そこで政権交代。鳩山内閣は発足時こそ70%を超えたが、宇宙人的発言で支持率は急落。20%での退陣となった。

☆ 菅内閣は発足時65%。退陣時は15%。3.11への対応がまずかったなぁ。天災は仕方ないとして、福島原発に乗り込んだり、なんかパニックってる感じがした。

☆ 民主党最後の野田内閣は、発足時60%。退陣時20%。党首討論で、解散すると言っちゃったからなぁ。質問した安倍氏が驚くほどだった。負けがわかっていて解散するとは、人が良いというか何というか。

☆ いろいろあったなぁ。

☆ こうやって見てくると、確かに支持率が20%を切ると内閣はもたないようだ。 

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