じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

星に願いを

2017-07-07 21:02:57 | Weblog
☆ 七夕の夜、ディズニー映画「ピノキオ」を見る。

☆ 「ピノキオ」と言えば、ストーリーは言うまでもない。名曲「星に願いを」をバックに物語は進む。


☆ 心を込めて星に祈れば、なんでもかなうということ。

☆ 善いこと悪いことの区別が大切ということ。ウソをついてはいけないこと。

☆ 「ここぞ」というときの勇気が大切だということ。


☆ ちょっと教訓的ではあるが、運命の女神が教えてくれる。


☆ 孤独な老人で、おもちゃ職人のゼペット爺さんは操り人形に「ピノキオ」と名前を付け、本当の子どもになるよう星に祈る。

☆ 神が自らの姿に似せて人間をつくったという「創世記」にも通じるものがある。自然の操り人形だった人間が、自らの意思で生きる人間になるにはどうすればよいかということ。

☆ 運命の女神に魔法で人間にしてもらったとき、ピノキオは叫ぶ。「I can move! Ican talk! I can walk!」

☆ それは、子どもの成長を表しているともとれる。

☆ 鉄腕アトムや映画「A.I.」も思い浮かぶ。


☆ クジラに飲み込まれ、そこから脱出するところは、米朝落語の「地獄のそうべえ」だ。

☆ ピノキオが勇気を振り絞り、ゼペット爺さんを助けるところは、「モチモチの木」の豆太だ。


☆ 「ピノキオ」の原作は、カルロ・コッローディの「ピノッキオの冒険」で、1883年が初版だという。

☆ 映画は1940年に公開されたという。  

☆ 映画は子ども向けに夢のある作品になっているが、原作はかなり風刺に富んだものらしい。


☆ 嘘をつけば鼻が伸びるあたり、永田町や霞が関界隈には、鼻の長い人たちがたくさんいるかも知れない。



☆ さて、星に何を祈りましょう。
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藤村、中也、でもやっぱり立原道造

2017-07-07 11:46:15 | Weblog
☆ 島崎藤村の「初恋」は胸がときめく。

まだあげ初めし前髪の

林檎のもとに見えしとき

前にさしたる花櫛の

花ある君と思ひけり


やさしく白き手をのべて

林檎をわれにあたへしは

薄紅の秋の実に

人こひ初めしはじめなり

(「藤村詩集」新潮文庫 20頁より)


☆ 林檎の甘酸っぱさ、それは初恋に通じるものがある。


☆ 中原中也はやっぱり「汚れちまった悲しみに・・・」が好きだ。

汚れちまった悲しみに

今日も小雪の降りかかる

汚れちまった悲しみに

今日も風さえ吹きすぎる

(河上徹太郎編「中原中也詩集」角川文庫 64頁より)


☆ NHK「100分de名著」で、中原中也が取り上げられていた。

☆ 純粋ゆえに生活には窮していたようだ。天才ゆえの苦しみか。苦しみゆえの作品か。


☆ 日本語の詩で私が最も美しいと思うのは、立原道造の詩です。

☆ どれか、一編を取り上げるのが難しいほど美しい。


「爽やかな五月に」

月の光のこぼれるやうに おまへの頬に

溢れた 涙の大きな粒が すぢを曳いたとて

私は どうして それをささへよう!

おまへは 私を だまらせた・・・

(「立原道造詩集」角川春樹事務所 84頁より)


☆ オフコース、小田和正さんの歌のようですね。「秋の気配」。



☆ 「落葉林で」という詩もいいです。
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美しい詩「甃のうへ」

2017-07-07 11:29:18 | Weblog
☆ 美しい詩。三好達治の「甃(いし)のうえ」


あはれ花びらながれ 

をみなごに花びらながれ 

をみなごしめやかに語らひあゆみ 

うららかの跫音空に流れ

をりふしに瞳をあげて

翳りなきみ寺の春をすぎゆくなり

み寺の甍(いらか)みどりにうるほい

廂(ひさし)々に

風鐸のすがたしづかなれば

ひとりなる

わが身の影をあゆまする甃のうへ 

(河盛好蔵編「三好達治詩集」新潮文庫 16頁)


☆ 作者とともに歩いているような気がします。
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大伴家持の歌から

2017-07-07 10:46:20 | Weblog
☆ 「春の苑(その) 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ娘子」(大伴家持)

☆ 桃の花だから初春だろうか。美しい桃の花の下に立つ少女の情景を詠んだ歌だ。

☆ 「紅にほう」というのがいいなぁ。

☆ 写真というものがなかった時代、この歌人は一瞬の光彩を文字に託し、あとは読み手のイマジネーションに委ねた。

☆ 心豊かな時代だった。
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「サラダ記念日」の思い出

2017-07-07 10:18:50 | Weblog
☆ 「サラダ記念日」を読み終えたのは、1987年6月25日。巻末に次のように記した。「久々に感動する作品だった。そのみずみずしい感性に驚く」

☆ そう、この短歌集の魅力はみずみずしさだと私は思う。

☆ 短歌、和歌と言えば万葉集、古今和歌集、新古今和歌集と古語や技巧に凝ったいかつい印象を持っていた。

☆ それを、この歌人は一変してくれた。若い心の動きを現代語で三十一文字に表現していた。


☆ この本を読んだころ、従弟がバイクの事故で亡くなった。20歳の早すぎる旅立ちだった。

☆ 彼の葬儀に参列した。

☆ 彼の部屋の本棚にもこの本があった。思わず涙がこみあげてきた。

☆ 彼も読んでいたのだ。


☆ それから30年。サラダ記念日は、ちょっぴり悲しい思い出とともに、今でもみずみずしい。 
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