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山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

植物工場の「みらい」

2015-07-01 | 政治・経済・社会
 帝国データバンクによりますと植物工場で野菜の生産・販売を手がけているベンチャー企業「みらい」(東京・日本橋)が6月29日に民事再生法の適用を東京地裁に申請したそうです。負債総額は10億9200万円とのこと。

 以前「植物工場(野菜工場)」や「スマートアグリについて」などで植物工場の投入エネルギーは半端ではないであろうと指摘しておりました。
そこでネットで調べておりましたら、次のサイトを見つけました。
 ⇒「大企業が続々参入 植物工場は儲かるか
このサイトによれば、植物工場産のレタスの生産コストは1キログラム当たり1100~1500円(露地物は300~600円)とのことです。出典は明示されておりませんが、一応正しいものとして考えると慣行栽培ものと比較すればべらぼうに高くなっております。おそらくは設備の原価償却とエネルギー及び肥料のコストが大きなウエイトを占めているものと推測されます。これでは、よほど高く売らなければ採算が合いません。よく今までやって来れたものだと逆に感心してしまいます。
 マスコミが取り上げたものだから、しばらくの間はやってこれたのでしょうか。消費者ももの珍しさも手伝って購入したものの、こんな高いものでは長続きしないのも道理だと思います。

 政府は農業を大規模化や集約化によってコストダウンや高付加価値化を目指しております。これらについても「TPPについて(17)-農業の経営規模拡大の行き着く果ては?」などで既に議論したところです。結局のところは「TPPについて(20)-強いものが生き残るのか、生き残ったものが強いのか?」で指摘したようにならないかと危惧します。

 何となく今回の「みらい」の民事再生法の適用を東京地裁に申請は、植物工場のあるいは大規模集約農業の「未来」を暗示しているのではないかと思ってしまいます。