8月16日はお盆も終わりました。私の故郷安下庄では昔からお盆で家に帰っていたご先祖様があちらにお帰りになるのをお見送りするため小さな灯篭に蝋燭の火をともして海に流す灯篭流しがこの日に行われてきました。私が子供の頃にその灯篭流しの行事に合わせて花火を打ち上げるようになりました。最初の頃は花火士さんでなく素人のお寺の世話役の方たちで単発の花火をポツリポツリと打ち上げていました。一つ上がるとしばらくお休みがあってまた一つ上がるといった単発の花火でしたが、その頃は打ち上げ花火自体がとても珍しく夜空で花ひらく花火を砂浜に寝転んで眺めたりしてたものです。それが毎年の行事となりお盆で帰省してくる人たちにとっても花火大会は故郷に帰る楽しみの一つにもなっていったようです。8月16日の灯篭流しと花火大会が終わると皆一斉に町へ帰って行きました。花火大会が次第に充実して大きくなると町に関係のない島外の人たちまでか海辺の花火大会を見に来るようになりました。最も盛んなころには数万人の見物客がやって来て1万発もの花火を上げていたこともあります。今はそれほどでもありませんが山口県内の花火大会では下関の海峡花火大会それから岩国の錦帯橋花火大会に次ぐ3番目の人気花火大会と言われています。この日も夕方から町の中は若い人たちであふれていました。
私は家でのんびりビールなど飲みながら窓越しに眺めたり、先祖の灯篭を流しに行って港のまわりにて人ごみの中で眺めたりしてきましたが、今日は初めて嵩山の山頂展望台へ花火を見に行ってきました。花火はふつう見上げるものですが高いところから見下ろすのはどんなものかと期待して出かけました。夜の山の山頂というのは一人で行くには少し不安があるので写真仲間に声をかけてみたら彼は毎年行っているとのことで彼が行くのなら大変心強く思えました。暗くなってから山頂展望台へ着いたのですが、花火見物と撮影を兼ねた人がすでに何人か来ていてみんなで談笑しながら花火の始まるのを待ちました。いざ花火の打ち上げが始まって気が付くのですが、めったに撮影しない花火ですから手際が悪く暗い中でレンズを変えたり設定をいじくったりで今年も思い通りの花火写真は全く撮れませんでした。一枚もいい写真はありませんでしたが雰囲気だけでも味わってください。一つ残念だったのはほとんど無風状態だったので花火の煙が空中に溜まって次々と上がる花火をその煙が覆い隠してしまったのです。でも瀬戸内海の雄大な景色を背景にした花火はなかなか見ることのできないベストスポットの一つだと満足しました。
最初に昼間の景色と夜景を並べてみますのでご覧ください
安下庄湾と愛媛の佐田岬
島の東部と松山市の明かり
安下庄の港と会場周辺
山頂から広角度で見た瀬戸内の風景
10日頃からいる練習船が今夜もまだ停泊しています。皆さん海上から花火見物なのでしょうか
いよいよ花火の打ち上げが始まります
安下庄湾の全景から始めましょう。
花火の左後の明るい建物が竜崎温泉です。湯につかりながらの花火見物も良いものでしょう
湾内の海の上に点々と灯りが見えるのは漁師さんたちが船を出して家族や知人を乗せての見物です。一番良い所に陣取ることができますね。
花火はこのように沖の離岸堤から打ち上げられます
大きく開く花火はどのサイズで撮れは良いのか分からず戸惑います。
高いところから見下ろすせいで海面に映った花火を見ることができます
尺玉など大きい花火は高く上げるので煙の上に出て来るので良いのです。
煙のせいで海に映った花火の方がよく見えます。
フィナーレは凄かったのですがあわてて撮り損ねほとんど失敗でした。
花火大会は終りました。道路は一斉に帰路についた車で数珠つなぎです。大島大橋を抜けるのにかなりの時間がかかるものと思います。お気を憑けて帰り下さい。
今年の夏も終わりました。