曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

彼岸の中日

2017年09月23日 | 日記

 今日は秋分の日ですね。太陽が真東から上り真西に沈み、夜と昼の時間(どこからどこまでが夜でどこからが昼というのか私にはよくわかりませんが)が同じとされています。明日から冬至までの間は昼間の時間がだんだん少なくなって行き、北半球では寒い冬に向かいます。そのような節目の日ですから、彼岸は雑節の中の一つとされています。雑節とは24節季などと同じように暦の中で使われる季節を表す言葉ですが、昔多くの人が農耕に携わっていたころには季節の移り変わりは農作業にとってとても大事なことだったため、そのような日を暦の中にきちっと示さなければならなかったのでしょう。九つある雑節の中では、今の社会では使われることがなくなり忘れ去られたものが多いです。そんなことはどうでもいいのですが、今の人にはお彼岸というとお墓参りという言葉が一番先に思い浮かびますよね。祖先をうやまう気持ちの強い日本人はこの日墓参りをすることを大事にしています。でも私は今日墓参りには行きませんでした。今日だけではありません、先祖を大事に思わないわけではありませんが形式的な墓参りというものは好きではないのであまりしません。

 彼岸という言葉はもともと仏教用語でしょうが、信仰心の薄い私にはピンときません。彼岸と此岸と対比させて考えるとイメージとして解りやすいのは解りやすいのですが、此岸つまりいろいろ問題の多い現世と悟りを開きあらゆることを克服した世界である彼岸と言われても、本当はますます解らなくなるものです。春の彼岸にはボタモチを食べて、秋の彼岸には同じものながらオハギを食べる日と言った方がわかりやすい気がします。それに、冬至と夏至は祝日ではありませんが、彼岸の中日である春分の日と秋分の日はなぜか祝日ですから、子供のころから嬉しくてよく覚えていました。この日が雑節の一つで暦の中で季節の移り変わりを表す日であり、仏教の中でも重要な日であるこの日がなぜ祝日になったのかは私は知りません。でも、春の彼岸は冬から春に向かう節目で、人々が自然をたたえ生命をいつくしむ気持ちにさせます。秋の彼岸は実りの季節で豊饒に感謝し、合わせて作物の生育を見守ってくださった祖先をうやまう気持ちにさせるのは季節がら自然な成り行きかもしれません。

 祝日である彼岸の中日のことは、わたしでも休日として忘れることはありませんが、彼岸の入りとか彼岸明けというのはほとんど意識したことはありません。今年の彼岸の入りは9月20日で、彼岸明けは9月26日です。彼岸というのは7日間あって秋分の日はその中日です。前の3日と後の3日の6日間に毎日一つずつ六波羅密の修業を行いなさいということらしいのですが、凡夫のわたしには中日の休日を楽しむことしかできませんね。せっかくのお彼岸ですから六波羅密というものを調べてみました。悟りの境地にいたるための六つの修業とは1.布施 (見返りを求めない応分の施しをさせていただく事をいいます。貪欲の気持ちを抑えて、完全な恵みを施すことです。布施行は物質だけではありません。) 2.持戒 (道徳・法律等は人が作り現在はますます複雑になっています。私たちは高度な常識を持ち、瞬時瞬時に自らを戒める事が肝要です。) 3.精進 (不断の努力をいいます。我々人の生命は限りがあります。ひとときも無駄にすることなく日々誠心誠意尽くすことです。) 4.忍辱 (如何なる辱めを受けても、堪え忍ぶことが出来れば苦痛の多い現代社会において、自らが他の存在に生かされていることがわかり、全ての人の心を我が心とする仏様の慈悲に通じることとなります。) 5.禅定 (冷静に第三者の立場で自分自身を見つめることをいいます。) 6.智恵 (我々は本来仏様の智慧を頂戴してこの世に生をうけております。しかし、貪りや怒り愚痴によってその大切な智慧を曇らせてしまいがちです。)
このようなことを心に持ちなさいとの教えでしょうが、どこかの国の政治家さんたちにも少しは修業してほしいですね。 

 難しいことはさておき、写真マニアの私は今日は彼岸花の写真をたくさん撮りました。すぐにお見せできないのが残念です。(パソコンがまだ直っていません。)彼岸花と蝶はとても絵になります。しかし蝶はなかなかこちらの希望通りに吸密に来てはくれません。そして彼岸花は花が筒状になっていて吸密管の長いアゲハ蝶の仲間でないと吸密できません。小型の蝶が彼岸花に止まっているのは見たことがありません。アゲハ蝶の仲間は大型ですから派手な彼岸花に負けませんし、真っ赤な花に黒いアゲハなどとてもいいものです。我が家の庭にはいま普通の赤い彼岸花と白花彼岸花と黄色の彼岸花が咲いています。もうひとつヒマラヤの彼岸花というのもあるのですがまだ咲きません。今日はナミアゲハがやって来て白と赤の彼岸花に止まってくれました。黄色にも止まってと願ったのですが、そのまま行ってしまいました。今の時期には彼岸花は真っ盛りですから明日天気が良くて暇があったらたくさん咲いているところへ行ってみたいと思っています。いい写真が撮れたらそのうちにブログで紹介しますね。

 ここのところすっかり秋らしくなりました。魚釣りにも行きたいし、もうすぐアサギマダラの群れがやって来るし、極早生ミカンが熟れてくるしでとても忙しくなります。でも一年のうちで最も過ごしやすい良い季節ですから、皆様もしっかり秋を楽しんでください。

今夜はこの辺で。