曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

椿の挿し木 2018春

2018年04月06日 | 日記

挿し木椿 の花

椿の花は挿し木した次の年の春に花を付けることができます。わずか数枚の葉で立派な花を咲かせることができるのはすごい力ですね。

 


 椿の花が盛りとなる3月になったころから、私のブログへのアクセスは「椿の挿し木」のページが急激に多くなって来ました。多い日にはアクセスの半数以上が椿の挿し木に関するものです。私のブログの記事としては蝶などの虫関連、柑橘関係の記事が多いように思うのですが、なぜ椿のアクセスが多いのか不思議に思うことがあります。

たしかに、最近わたしは椿山を作ろうとしていると話をしましたので、分かっていただけると思いますが、この何年か椿の苗を一生懸命作っています。椿の苗は比較的んたんに作れるので、以前にも2度椿の挿し木について書いているのですがもう一度作り方をご紹介しましょう。

今日は朝から雨模様なので挿し木の作業にはうってつけです。昨日椿の穂木を集めておいたのでそれを使って朝から挿し木をしました。活着率がよくて、後の管理が楽な密閉挿しの手順を写真を交えて説明します。椿の挿し木は一年中いつでもできますが、今の時期には花が見られるのでどんな椿を増やしたいのかよく分かり挿し木の適期だと思います。春の新芽が伸びきって緑化が完了した6月・7月頃も挿し木の適期ですが、その時期には花が無いため品種を間違えたりすることもあって注意が必要です。秋以降の気温の低い時期に挿し木をすると発根に時間がかかります。

 

 


椿の挿し木の準備

 

1. 挿し木用の枝は30分以上数できれば数時間くらい切り口を水につけて十分水揚げをしておきます。

 

2. 挿し木用の鉢は乾燥しないようにポリポットがよいでしょう。

 

3. 挿し土は雑菌が少なくて保水性のある土ということで、私は川砂と赤玉土か鹿沼土を半々で混合したものを使います。

 

4. 次に挿し穂を準備します。十分水揚げしたものを使います。

挿し穂は10㎝前後の長さで、健全な葉が4~5枚付いていて良い新芽が付いているものが良いでしょう。

適度な長さに切りますが切り口は良く切れる刃物で切り、切り口には発根剤を付けておきましょう。(ルートンなど)

 

5. 挿し土には5㎝程度埋まるようにします。12㎝の鉢で3本挿せます。

 

6. 鉢をビニールで密閉するための支えを針金で作ります。

これで、土に挿す所まで終わりました。

 

7. 次に、鉢に十分な水をかけて、挿し穂の切り口に土がよくなじむようにたっぷりの水と土をゆすって土中に隙間の無いようにします。

 

8. 鉢の水が引いて挿し枝がよく落ち着いたらポリ袋をかけセロテープで裾をきれいに密閉します。

あまり密封すると中の椿の枝が呼吸できないのではないかと心配する方がありますが、呼吸するくらいのガスは通りますので心配はいりません。

 

9. 中の土を十分湿らせておいて密封したら、3か月間一切開けてはいけません。挿し枝の持つ養分で新芽が伸びたり、新しい根っこが出てきたりします。

日光が直接当たるとポリ袋の中の温度が上がりすぎるので半日蔭くらいの場所が置き場としては最適です。椿は林の中の日陰でも十分成長できます。

 

このようにして3カ月間放置しておくときれいに発根しますので、良い根が出ているものから普通の肥料分を含んだ培養度に植え替えを行います。いきなり乾燥や乾いた外気に合わせると根があっても枯れることもありますので、しばらくの間もう一度ポリ袋をかぶせておくか、水やりをこまめにやりましょう。うまく行くと秋には蕾が付いて冬か春には開花が見られます。

挿し木をして3か月間はポリ袋を開けたり、根が出ていないか確かめようと抜いてみたりしない方が良いです。発根するまでは何もしないで放置することがこの密封挿しのポイントです。

うまく行くと活着率は80%以上になることもありますが、品種によっては活着しにくいものもあります。