今日の海
西側は海面を海霧が覆っています。こんな所を舟で走っていると周りが何も見えず方角すら分からなくなります。
東側は雲が低く垂れこめていますが海面まで届いてはいません。今朝のは雲までの高さは10mか20mでしょうが、昔沖に出ていたころにはもっと低く雲が下がって来て舟の上で立ったら顔は雲の中に入り、座ったら向うが見通せるようなこともありました。
今はGPSという便利な道具がありますが、20年ほど前には舟を走らせるのにコンパスだけが頼りでした。
今日は天気も悪く畑の仕事もできないので10時頃からアサギマダラのことで東和地区の方へ行きました。外入から地家室への山越えの道を下っていた時、日中なのに県道の真ん中に大きなイノシシがいるのに出くわせました。チャンスとばかり車を左に寄せて止めて、カメラを取ってそのままフロントウインドウ越しに撮影を始めました。野生の獣や鳥などは自動車の中にいれば人のことをあまり気にしません。ドアを開けて車の外に出ると相手は人であることを認識して、お互いの関係がまずくなります。イノシシの様な大型の動物の場合人間とトラブルを起こすとまずいことがありますので、ここは外へ出ないようにして運転席から写真を撮りました。最初見たときには大型のイノシシが1頭だけでいるものと思ったのですが、子供を数頭連れた母親イノシシであることが分かったので、一層注意が必要となりました。そっとエンジンを切り惰性で車をイノシシタ達に近づけました。母親はこちらを向いてちゃんと私のことを認識したようですが、あわてて逃げる気配はありません。子供たちをそばに寄せて安全を確認するとそのまま土を掘って何か食べているようでした。やがて子供たちが先に立って畑の奥の方に入って行ったので母親も奥の方に姿を消しました。ただこれだけのことですが、イノシシたちは人間を見てもあわてる風は全くありませんでした。ただ道路が境界線で道路より山側が彼らのテリトリーなのでしょう。それにしても昼間に子供を連れて出てくるとはすごいですね。
実は、数日前に福島の原発事故で広く汚染された森や集落の様子をNHKスペシャルで見たばかりだったので、その時の福島の光景と似ていたので驚いてしまいました。福島の放射能汚染立ち入り禁止区域では人のいなくなった町に野生動物が入り込んで自由に暮らしている姿がテレビに写されました。大島は過疎が進んではいますがまだ集落には人が住んでいます。野生動物が日中道路を歩いていようとは思いもかけませんでした。私が撮影している間中私のことを気にはしていましたが無視しているようでした。私が撮影している間に2台の車が私を追い越して通り過ぎました。その時もイノシシたちは気にしていない様子でした。将来、もっと過疎が進むと野生動物と人との間柄はどうなるのでしょう。今でも人の作っている農産物はそうとう被害にあっています。厳重な囲いをしないと農作物は収穫できません。特にイモ類はイノシシの大好物ですから最近は囲ってある柵まで破られるケースが出ているようです。人間は境界線を守るためこれからも野生動物を駆除するために戦うのか、諦めて、農地や集落を放棄するのか、しばらくの間は現状を守ろうとするでしょうが、遠い将来のことは分かりませんね。
何とか共存することはできないものでしょうか。イノシシたちとこんなにゆっくり付き合えたのは初めてのことです。
話のついでに、先日テレビで見たNHKスペシャル「被爆の森」のことも書いておきたいと思います。もうご覧になった方はいろんなことを感じられたと思いますが、あの原発事故で強く汚染された地域は住んでいた住民が避難した後全く手つかずで放置されています。 今あれから7年経って変わり果てています。草木が伸びて自然の原野に戻って行くのは想像できますが、野生動物が人の住んでいた町や村にすぐに入って来て人家などを住処にしているのは意外でした。何年も人を見ない状態でいたので人への警戒心も薄れているようでした。町の中を真昼間に歩きまわるイノシシ家族や人の植えた果物など食べ放題のサルの群れなど野生動物にとっては生活のしやすい楽園となっているようです。ただ彼らは強い放射能を浴び続けていることは知らないわけですから、この結果が幸せなことかどうかは分かりません。チェルノブイリでは30年も経つのにまだ広大な立ち入り禁止地区があります。福島のこの地域もまだあと何年も人が入ることはできないかもしれませんが、人間の愚かさを検証するためにもこの地域が将来どうなって行くのか十分な調査と多くの人への周知が必要と考えられます。広島・長崎の原爆を忘れてはいけないように、チェルノブイリや福島のことを忘れないように努めたいものです。責任のある政府関係者や電力会社は早くみんなの記憶ら消し去りたいと思っているかもしれませんが、この壮大な禁じられた実験場は将来のために役立ってくれることを願います。
番組「被爆の森」は2年前に1回目の放送があり、2回目がこの3月に放送されました。そして先日6月17日にも2時間番組として放送されました。NHKならではの力作ですので再放送もあるかもしれません。まだご覧になっていない方は是非個欄になるようお勧めします。何年か後に3回目もあると思います。
過去の番組は少しお金を払わなければ見られませんがオンデマンドでの配信もあります。2年前の「被爆の森」はお金を払っても惜しくないと思いました。
野生動物との共存、今のところ、イノシシたちは人間に一歩譲っていますね。
出会った時には道路の真ん中にいました。カメラを持った時にはみかん畑の方に入って行きました。
私の方をじっと見ていましたが、やがて無視しました。
母親が道路の方を気にしていました。
ウリボウが1匹道に残っていました。
母さんに呼ばれたのでしょうか。
はっきり数えられませんでしたが、ウリボウは5~6匹いたようです。
イノシシが掘り返した所で、雉の子供が餌を探していました。
雉の子供たちは私の存在が気になるようでイノシシより先に姿を消しました。
子供たちはすべて身の回りに呼び集めたので安心しているのかもしれません。
何か餌を探しているようです。
時々私の方を見ます。
ウリボウたちはここでは何もすることが無いようです。
母親はまだ何かしきりに探しています。
子供たちはお母さんより先に上の畑に上がりました。
上の畑に先に上がったウリボウが「お母さん早くおいでよう。」と言っているようです。
「はいはい 行きましょうね」と子どもたちの方へ姿を消しました。
私がここに来る前に掘り起こした跡です。水仙の球根がたくさん露出していますが、何を食べたのでしょう。
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