街で一番賑やかな通りを
少し外れると・・何事もないような
静けさになります。
通る人も誰ひとりいなくて
盆踊りの囃子音が遠くに聞こえます。
すると不思議なんですが
今、この街にいるということが
ぼんやりとしてきて・・夢の中にでも
いるかのように朧気になるのです。
「猫さん・・猫さん・・」
ふいにいなくなってしまった猫を
少女が探している・・
暗闇は直ぐ近くにあって
一歩踏み出すと、どこか遠くへ
知らないところへ行ってしまいそうで・・
少女はいつまでも「猫さん・・」と呼びかけて
じっと動かない。
想定「猫の子」踊りより m