金沢の観光スポットレポート(No.1762)
◇兼六園の梅林2020-1トウジウメ、ヤエカンコウ、ヒノツカサ、ヤエトウバイ
〇梅と桜
もともと奈良時代までは花見は梅が中心で、その時代に桜は野生の山桜を鑑賞していたと考えられる。その後、9世紀前半に嵯峨天皇(在位809年~823年)が南殿に桜を植えて,宴を催したのが最初といわれる。
・万葉集(8世紀後半)の梅の句は110首、桜の句43首。
・古今和歌集(10世紀)の梅の句18首、桜の句70首。
となっており、このことからも平安時代後期期には桜が花見の中心になったと考えられる。出展:日本の桜(川崎哲也)、NHK放送
〇梅林の歴史
兼六園の梅林は、藩政時代には竹沢御殿や馬場などがあった跡で、明治には長谷川準也の屋敷となった。戦後は兼六園広場として野外催事に使用され、その後金沢大学が城内に移ってからは、昭和43年(1968)明治百年記念事業として「兼六園梅林」が造営された。ところが、長年の放置と踏圧された荒地に植えられた梅株は育ちが悪く、昭和48年(1973)改めて樹間に深溝を掘り、堆肥を補い、高く盛土して勢いを再生させた。
開園時には太宰府天満宮、防府天満宮、北野天満宮、道明寺天満宮、湯島天神、偕楽園、七塚町、兼六園観光協会などより、白梅13種・160本、紅梅13種120本が寄贈され、昭和50年(1975)ロータリークラブより白梅25本が寄贈された。現在は約200本があるとされている。
1)トウジウメ(冬至梅)
野梅性、実梅一重、中輪。兼六園では一番早く咲く。樹高は3メートルから6メートルくらいで、枝は細い。早咲きの品種。梅林に1本のみ。
■写真はトウジウメ
2)ヤエカンコウ(八重寒紅)
野梅性、花梅、八重、中輪、早咲き。代表的な紅梅。花弁は波打ち、萼は濃いこげ茶色。樹勢は強い。早咲きのため正月の盆栽に向く。梅林に4本ある。
■写真はヤエカンコウ
3)ヒノツカサ(緋の司)
紅梅性、実梅、八重、中輪。花弁はへら型で抱え咲き、雄蕊は長い。雄しべは長くきれいに開く。樹勢は強い。梅林に1本のみ。
■写真はヒノツカサ
4)ヤエトウバイ(八重唐梅)
唐梅性、実梅、八重、中輪。丸い花弁、花弁に赤筋入り、花弁は下向きに咲く。栽培品種の1つで、樹高は3メートルから6メートルくらい。早咲きの品種。梅林に1本のみ。
■写真はヤエトウバイ
◇兼六園の梅林2020-5 ブンゴ、ヤエハクバイ、ケンキョウ、ヤバイ
◇兼六園の梅林2020-4 マヤコウ、リョクガクシダレ、ヤエハクバイ、ギョクエイ
◇兼六園の梅林2020-3 オウシュク、ベニシダレ、ミチシルベ、カゴシマベニ
◇兼六園の梅林2020-2 アオジク、シロカガ、コウメ、リョクガク
(つづく)