金沢の観光スポット体験レポート その445(No.702)
◇兼六園の特別名木、名木めぐり ②
兼六園には名木指定が79本ありその内特別名木が19本
ある。今回はこの名木を紹介します。ただし、その樹木の
花とか若葉、紅葉などはその季節に取材し紹介します。
石川門の前の桂坂より、千歳台、山山、霞が関、瓢池、
真弓坂を経由桂坂の順で巡ります。
□名木とは
庭園景観を構成する重要な景観木。
□特別名木とは
名木の中で特に名前が付けられ、古くから親しまれている
主要景観木。
6)唐崎の松(特別名木)
国所有、クロマツ二本幹
◇唐崎松
月見橋の傍らにあり、霞ヶ池に面して立っている。兼六園の松木
は約560本。そのほとんどが黒松と赤松である。唐崎の松は黒松
で、13代藩主斉泰が松の名勝地、琵琶湖畔の唐崎から種子を取り
寄せて育てたもの。地面を這うように広がる見事な枝振りの松で、
特に円錐形の雪吊りが施された様子は兼六園を代表する景観の一
つである。
また、5人の庭師が8月の1ヶ月間かけて行う剪定作業も恒例行事。
はさみをほとんど使わず、手で前年の古葉を1本1本とっていく
「古葉むしり(透かし剪定)」という手法で行われている。
■写真は唐崎松
7)玩月(がんげつ)松(特別名木)
国所有、アカマツ三本幹
◇玩月の松(がんげつのまつ)
曲水に架かる月見橋のたもとにある赤松。この松の辺は季節に
よって変わる月の出を愛でる最高の場である。
月見灯籠、月見橋など月にちなむ設えが集中している
■写真は玩月松
8)姫小松(特別名木)
その他県所有、ゴヨウマツ二代目
◇姫小松(ひめこまつ)
眺望台の曲水沿いに、初代の根株と2代目姫小松がある。天正11
年(1583)に初代藩主利家が金沢城へ入城し、その後間もなく、
現在の千歳台に宝円寺を建立した。初代姫小松はこのとき植え
られたものと考えられている。推定樹齢500年の園内一の老木で、
幹が6本もあり、その枝振りの良さも園内一だったという。平成7
年(1995)に枯死と断定され、伐採された。2代目姫小松は、昭和
45年(1970)に呼び接ぎのために植えられた若木が育ったもの。
■写真は姫小松
■写真は姫小松一代目の根
9)旭桜(特別名木)
国所有、ヤマザクラ系二代目
◇旭桜(あさひざくら)
初代の旭桜は、白山地方のヤマザクラの大木で、園内第一の
老樹であったため大桜と呼ばれていた。 かつて、この桜を
兼六園に運ぶために、道筋の50件の家を取り壊し500人
の人夫がかかったという。 しかし、昭和12年頃に枯死し、
現在は2代目。 ソメイヨシノなどの花びらが散った頃に、
旭桜が満開になる。
■写真は旭桜
(つづく)