金沢の観光スポットレポート(No.1714)
◇辰巳用水を巡る 上流編
12月5日(水)金沢城・兼六園研究会 辰巳用水研究第1グループは辰巳用水巡り上流編の見学をした。
〇辰巳用水(たつみようすい)
金沢市を流れる約11kmの用水路。3代加賀藩主・前田利常の命により、寛永9年(1632)に板屋兵四郎が完成させたといわれている。1631年に発生した金沢大火が建設の契機になったとされており、金沢城の防衛・防火のための用水を導水する目的で掘削された。途中、長距離のトンネルがある難工事であったが、工事開始から1年足らずで完成に至った。疏水百選の一つ。平成22年(2010)2月一部が国の史跡・名勝に指定。
犀川上流の金沢市上辰巳(現在東岩口)より取水し、約4kmの導水トンネルを経て小立野台地に出た後、兼六園の園内の曲水となる。かつては、導水管を用いて外堀をくぐらせ金沢城内に水を供給し、さらに市内に配水していた。
約390年経った現在も農業・生活用水として重宝されている。
■写真は東岩取水口と辰巳ダム
建設当初は犀川上流の雉に取水口が設けられていたが、1837年、1855年に取水口の付け替え工事が行われ、さらに上流側へと取水口が移動された。現取水口を含む区間は、辰巳ダム計画により水没する可能性があったが、ダム計画変更により取水口は存置することとなった。
■写真は鳩水門
■写真は鳩水門近くの横穴と隧道
〇三段石垣
上辰巳町付近には、三段石垣に代表される延長260mの石垣群築かれている。辰巳用水が最上段を流れており、付近の地盤がもろく崩れやすく、石垣前面はもともと犀川の河原だったことから、浸食を防止する施設と考えられる。
江戸時代の絵図により、19世紀初めにすでに築かれたと考えられる。
■写真は三段石垣と石垣群
■写真は犀川上水場付近の辰巳用水と専用取水口
■写真は大道割水門(湯の谷)
■写真は土清水付近の辰巳用水
■写真は辰巳用水図
□辰巳用水訪探レポート(その1 2012.11)
□辰巳用水訪探レポート(その2 2012.11)
□辰巳用水訪探レポート(その3 2012.11)
□辰巳用水訪探レポート(その4 2012.11)
(つづく)